第2話

名前
2,398
2019/10/15 14:02
緋山美帆子
緋山美帆子
あんたたちまだお互いのこと
名前で呼んでないの?
緋山美帆子
緋山美帆子
付き合いだての中学生か!
緋山からそう言われたのは今から1時間前
まぁ、知ってる通り俺らはまだお互いのことを
「藍沢先生」,「白石」と呼んでいる
別に呼びたくない訳じゃない
むしろ相手に呼んでほしい
でもいざ自分から言うとなると
恥ずかしいのと今までのキャラが変になりそうで
言えない
藍沢耕作
藍沢耕作
はぁー
藤川一男
藤川一男
おい、耕作ちゃん
何ため息ついてんの?
藤川一男
藤川一男
相談ならこの俺にしても良いんだぞ!
藤川一男
藤川一男
ちゃーんとした答えを出してやるから
藍沢耕作
藍沢耕作
……お前には関係ない
藤川一男
藤川一男
え?……
耕作ちゃん?その言い方はひどいぞ!
藍沢耕作
藍沢耕作
うるさい、あとその呼び方やめろ
藤川一男
藤川一男
いいだろー別に~
藍沢耕作
藍沢耕作
はぁー
俺がお互いの呼び方について悩んでるのに
そんな呼び方をされるとイライラする
彼女はどう思ってるのだろうか
ー・ー・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・
緋山先生に突っ込まれてから1時間がたった
確かにそうだと思った
私だって藍沢先生に名前で呼ばれたい
でも自分からは恥ずかしくて言えない
白石恵
白石恵
はぁー
冴島はるか
冴島はるか
珍しいですね白石先生がため息なんて
白石恵
白石恵
えーそうかなぁー
冴島はるか
冴島はるか
何か悩みがあるんですか?
冴島はるか
冴島はるか
相談のりますよ
白石恵
白石恵
うぅーん……
大丈夫!何とかするから
冴島はるか
冴島はるか
そうですか……
何かあったら
いつでも言ってくださいね
白石恵
白石恵
うん!ありがとう
あーあ相談すれば良かったかなぁー
でもみんな忙しいし、心配かけたらいけないよね









二人は答えが見つからないまま
定時を迎えた
藍沢耕作
藍沢耕作
白石、帰れそうか?
白石恵
白石恵
あ、うん!
帰れるよ!
白石恵
白石恵
お先に失礼しますー
緋山美帆子
緋山美帆子
はーい
俺たちは二人で並んで廊下を歩く
いつもは何か話ながら歩くが
今日は一言も喋らなかった

車について俺は運転席に
彼女は助手席に乗る
車を発車させる前に俺の口が開いた
藍沢耕作
藍沢耕作
なぁ、
白石恵
白石恵
ん?
藍沢耕作
藍沢耕作
今日、緋山に言われたことだけど
白石恵
白石恵
あ、うん……
藍沢耕作
藍沢耕作
どう思ってる?
白石恵
白石恵
え?
白石恵
白石恵
どうって?
藍沢耕作
藍沢耕作
俺はお前に呼んでほしい
お前は俺に名前で呼ばれたいのか?
白石恵
白石恵
うん。
私だって藍沢先生に呼ばれたい
でも自分から言うのは恥ずかしい
藍沢耕作
藍沢耕作
じゃあ、今日から名前で呼ぶか?
白石恵
白石恵
う、うん!
何だこの会話は、などと思いながら
区切りが良いのでここで車を発車させる
少しすると彼女があくびを始めた
藍沢耕作
藍沢耕作
眠いのか?
白石恵
白石恵
まぁ、少し……ね
藍沢耕作
藍沢耕作
寝てて良いぞ
白石恵
白石恵
でももうつくでしょ?
藍沢耕作
藍沢耕作
まぁな
白石恵
白石恵
…………こ、コウサク……////)
藍沢耕作
藍沢耕作
Σ(゜Д゜)////)
な、なんだ?
白石恵
白石恵
い、いや
呼んで見みただけ……////)
藍沢耕作
藍沢耕作
そ、そうか……////)
おいおい、呼んでみただけだと?
かわいすぎかよ
あんまり驚かせるなよ 事故るぞ
白石恵
白石恵
…………
さっきからすごく視線を感じる
赤信号になったので
チラッと彼女のほうを見てみると
目があってしまった
藍沢耕作
藍沢耕作
な、なんだ?
白石恵
白石恵
…………
彼女は答えない
代わりに目で『名前で呼んで』と訴えている
わかってる、次は俺の番だって
でも恥ずかしい
藍沢耕作
藍沢耕作
……家に着いてからで良いか?
白石恵
白石恵
わかった……
最後の信号を進み、家に着いた
とりあえず降りて玄関に向かう
家に入ると彼女は眠そうにソファーに座った
藍沢耕作
藍沢耕作
…………メ……メ……メグミ?////)
白石恵
白石恵
……
初めて彼女の名前を呼んだのに返事がない
聞こえなかったのか?
彼女のほうに近づいてみると……
藍沢耕作
藍沢耕作
お、おい!
白石恵
白石恵
Zzz……
最悪。
なぜ今寝る?!
誰のせいで今俺の顔が赤くなっているのか……
はぁー
いろんな意味で疲れた
俺も少し寝よう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

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