あの後侑とわかれて家に着いた。
電気…………ついている。
お母さん帰ってきたのかな。
花『ただいま。』
母「あなたおかえり!!」
花『今日のご飯は?』
母「オムライスよ〜」
花『私お母さんの作るオムライス大好き。笑』
母「ありがと(ニコッ」
花『ご馳走様でした。』
母「お粗末さまでしたっ!!」
花『おやすみ。お母さん』
母「おやすみ。」
花『薬。ちゃんと飲んどいてね』
母「…………分かってるわ(ニコッ」
お父さんが出ていってからお母さんは病にかかった。
それが分かったのは一昨年の春だった。
泣きながらお母さんが伝えてくれたのだ。
今だって覚えてる。
あの日お母さんの涙を初めて見た。
"母「ごめん、ね、。あなた。」
母「お母さん、がんに…………心臓のがんだって……」
母「今、あなたを支えるのは私だけなのに……」"
花『ッ…………』
あぁ。思い出したくない。
あのクソみたいな父親の顔も。
初めて見たお母さんの泣き顔も。
花『思い出したくないよ、』
私はしばらくしてベットに入った。
今日はいつものようにすぐ寝れず侑の顔がずっと頭に焼き付いて離れなかった。
花『侑、今何してんのかな。』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!