昔のことを少し思い出しながら、まだ私は休む場所を探し歩いていた。現在私は、旅をしている。私の心に気付く誰かに出会うために……
歩いていれば、新しい街を見つける。
随分大きい建物が、いっぱい建っているところにつく。もしかしてここは……
自分が行き着いた場所が分かると、もうここまで来たのか、なんて自分でも感心していた。
江戸の街に入っていけば、歌舞伎町という所に着いた。ここに、いるかな……なんてらしくもない期待を抱えて、また歩き出す。すると、いきなりとんとん、と、肩を叩かれる。後ろを振り向けば、そこには若い1人の少年が。
整った顔に、栗色のサラサラの髪の毛。私と同じくらいの歳(18歳)。、身長も高く、170はありそう。それに、この口調は江戸っ子が使うものだったはず。そして、何より目立つのが……黒い服。
ボーッとその少年のことを見ていたら、その青年は呆れたような声で私に問いかける。
その少年は、私を人目につかない路地裏に引っ張っていく。何をされるのか……
少年は刀に手をかける。私にとってこれは敵意の表れ。よって敵、になるんだけど、もしこの人が警察関係の人なら、私は見つかれば牢屋行きだ。そしたら、目標が達成できない。それは嫌だから、本当のことを言う。
真っ直ぐ真剣に見つめれば、相手は少し目を見開くけど、しばらくすると息をついて
こんなんで怖い思いをする訳が無い。
私たちは路地裏を出る。
目の前の少年が目を丸くする。まぁ、スリルを味わおう。
そう言い残して、私は少年の元から去った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。