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第1話

残酷なんて、くそくらえ。
1,249
2018/05/25 13:30
私が訓練兵になった時の話でもしようか。
そうだな。私もエレンと同じ、巨人を倒すため、調査兵団に入りたかったんだよね。今はめでたく調査兵団やってるわけですけども。
最初はね?憲兵団に入りたいって言ってる人は、腰抜けだと思ってた。さ、最初だけね!?←
あの時
「俺は、憲兵団に入って、内地で暮らしたいです。」
これを聞いて、ほんとに怒りが湧いてしまった。あのあと、夕食の時に喧嘩をふっかけたほど。←
それからは目が合えば喧嘩、言い合い、貶し合い。それが日課になりつつあった。名前もすぐ覚えてしまった。ジャン・キルシュタイン。
そんなある日に、あの事件が起こった。巨人が壁の中へ侵入させることを許してしまったあの日。マルコが死んでしまった日。ジャンは調査兵団になることを決意した。
まさか、と思った。嬉しく思ってしまうなんて。不謹慎だが、私の心は喜んでしまった。こんな感情になることは今までに何回かあった。そのすべてにジャンが関わっていることにも気づいている。しかし、恋愛感情だとは、気づかなかった。いや、目を背けていた。叶わない恋だと知ってなのか、いつ死んでもおかしくない立場だからなのか。前者も後者も両方だ。ジャンがミカサに心を奪われていることも知っている。調査兵団ならば、いつか死ぬことも知っている。
ミカサと言えば。私はミカサの次に技能がある。そして、ミカサは私の1番の親友だった。本当に、気が合うんです。愛してるミカサ。←

そんな昔のことを思い出していると、脳天に何かが当てられ、首に負担がかかった。
「いったい!」
頭を擦りながら振り返る。そこにいたのは、
「おい、夕食の時間、終わってるぞ?」
ジャンだった。今はしょうがなくこの恋心と向き合っている最中である。
「ほんとだっ!」
いそいでお盆を持ち、片付けをする。なんという幸運か。ジャンと同じ班になれたことはすごく嬉しいかぎりだ。
呆れているが、楽しそうな笑顔を浮かべ、こちらを見ているジャン。
君は、今、誰のことを思っているの?

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