第20話

■リク:束縛(ヤンデレ)■加賀美ハヤト
44,411
2022/02/06 13:41
あなた
ふぅ…終わった……
甲斐田晴
姉貴!お疲れ様です!!
あなた
あー…ありがとう甲斐田くん…
私は、加賀美インダストリアルで働く社員。

そして今、隣のデスクで私に缶コーヒーを
差し出してくれている彼は

私が教育係を任せられている
新入社員の甲斐田くんだ。
あなた
その姉貴っていうの、やめてよ…
甲斐田晴
えっ嫌ですか!?
なんか、癖になっちゃってて……
えへへ…と頭を搔く彼。
これが後輩の中で今1番モテている男か……

そんなことを考えながら
気づけば彼の顔を凝視していたようで、
甲斐田晴
ちょっ姉貴!!
そんな顔見ないでくださいよぉ……
あなた
あっごめんごめん、つい
甲斐田晴
もー!
今にもぷんぷん、という
効果音が聞こえてきそうな怒り方だ。

私たちはいつも通り他愛もない会話をしていた。

甲斐田晴
あっ!姉貴!そういえば、
新しい玩具の企画も落ち着いたし、
金曜だし!一緒に飲み行きませんか!
あなた
おー、いいね。アリ!
加賀美ハヤト
ナシですよ。
あなた
ふぁ!?
私の背後から突然現れたのは
この会社の若き社長であり、

私を他社から直々に引き抜いた上司である、
加賀美ハヤトさん。

甲斐田晴
しゃ、社長……!
加賀美ハヤト
あなたの下の名前さん
仕事は終わったんですか?
隣でワナワナとしている甲斐田くんは
見えていないのか、私に話しかける社長。
あなた
ええ、まぁ、一応……
加賀美ハヤト
そうですか。では、帰りましょう。
女性一人は危ないですから、
私が車で送ります。
あなた
えっ悪いですよ…
加賀美ハヤト
気になさらないでください。
甲斐田晴
…あー!僕用事あるんだったー!
姉貴!じゃあまた休み明けに……!
甲斐田くんは何かを察した様子で
すたすたと帰ってしまった。
加賀美ハヤト
では、私達も行きましょう。
あなた
……はい…
お言葉に甘えて、社長の車に乗り込む。

しばらく車が走っていたが、途中で気づいた。
あなた
社長……?
加賀美ハヤト
なんですか?
あなた
あの…私の家……
こっちじゃないんですけど…
加賀美ハヤト
知ってますよ。
すました顔のまま答える。
……どういうこと……?

何も分からないまま、
気づけば目的地に着いていた。
あなた
ここって…
加賀美ハヤト
…私の家です。
あなた
えっ、なんで
加賀美ハヤト
飲み物でもお出しするので
上がっていってください。
あなた
……はあ…
気の抜けた返事をして、渋々お邪魔する。
加賀美ハヤト
あなたの下の名前さん、
ワインはお好きですか?
あなた
あまり飲まないけど…
嫌いでは無いです
加賀美ハヤト
そうでしたか!丁度最近、他の企業様
とのタイアップで私がラベルになった
ワインが出たんです。
『よかったら』

と、ワイングラスを渡される。
お世話になっている人だ、断る訳には行かない。
あなた
…っ、おいしいですね…!
加賀美ハヤト
そうでしょう?
これ、よくないですか!
普段は大人な雰囲気の社長だけど、
時折見せる子供のような表情が可愛らしい。

大好きなお酒とのタイアップ。
嬉しかったんだろうなぁ……


そんなことを考えていたら
視界がグラグラと揺れてくる。
あなた
あ…れ?
加賀美ハヤト
あなたの下の名前さん?
どうしました……?
あなた
いや、ちょっと…頭が……
加賀美ハヤト
一口しか頂いてないのに、
もう酔ってしまったんですか?
ふふ、と微笑む社長の顔が目の端に見える。
あなた
ごめん…なさい……社長、私…
加賀美ハヤト
大丈夫ですよ、安心して
眠ってください。
加賀美ハヤト
きっと疲れたんでしょう。
そのまま私は意識を手放した。

落ちる瞬間、社長が何か言った気がしたけど
聞き取ることは出来なかった。


























加賀美ハヤト
おやすみなさい、あなたの下の名前さん
加賀美ハヤト
今日からここが、あなたの家ですよ
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リクエストありがとうございました…!
奥手な社長がうまく連れ込むシュチュエーション……難しい…!

でも楽しかったです!ありがとうございました✨

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