私は桜魔皇国で、長尾上官の下について
祓魔師の仕事をしている。
大変な仕事だけど、上官は厳しくも優しく
仕事内容も自分に合ってるなと感じている。
『一応』という失礼な言葉に少し怪訝な顔をすると
長尾上官は私の頭をポンポンと軽く触った。
後ろから急に大きな腕に包まれた。
女性にしては筋肉質で、男性にしては華奢な腕。
藤士郎は桜魔皇国で官吏をしている。
神様への連絡や
身の回りの管理をしているらしい。
優秀な役人であり、彼は私の幼馴染だ。
そう言って、長尾上官はまた私の頭に軽く触れた
長尾上官は『おじゃま虫は退散しますよ〜』と
陽気に去っていった。
いつもより一回り大きい声で言う彼。
その顔は、いつもの爽やかな顔ではなく
余裕がないように見えた。
そう言って、藤士郎は私の頭を優しく撫でた。
----弦月side
『悪かったって…w』
『絶対思ってないですよね…』
幼馴染のあなたの下の名前ちゃんの頭を
ポンポンとなでる景くん。
居てもたってもいられずに駆け寄った。
なんて、可愛い反応をする彼女を
後ろから抱きしめる。
目の前の友達に取られないように。
景くんは別れ際またあなたの下の名前ちゃんの
頭を撫でた。
きっと睨むと、ボヤきながら去っていった。
『他意はないでしょ』なんて言う彼女に
少し感情的になって声を出してしまった。
そして僕はあなたの下の名前ちゃんの頭を撫でる
僕だけが
僕だけが触れるんだよ。
僕以外に触って欲しくないんだ。
彼女は冗談だと思ってるんだ。
僕は本当に君のことが好きなんだよ。
ねぇ、わかってよ。
なんで分からないの。
((バタッ))
力なく僕の腕の中に収まる彼女。
スヤスヤと気持ちよさそうにしている。
眠る彼女をお姫様抱っこして、自宅へ向かった
これからはずっと一緒だからね。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。