第4話

第四話
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2019/02/06 01:18
ほら、海都が私のこと呼び捨てにしたから、あの子ヒソヒソなんか言ってるじゃない。
女子
ねえ、沢村さん調子乗ってない?ヒソヒソ
女子
それな!一回〆なきゃヒソヒソ
結華
結華
……ほら、あんたのせいで私が悪者になっちゃったじゃない。
海都
海都
うわ、あれ聞こえんの?
地獄耳〜〜
結華
結華
あんたも聞こえてんでしょ。
同類でしょうが。
海都
海都
ま、そうだね。
あっさり認める。
やっぱりコイツ、気に食わない。
しばらく黙ってると、海都が私の腕を引っ掴み、屋上へ向かって走り始めた。
結華
結華
うわっ!?ちょっ、離せバカ!
結局、離してくれたのは屋上に着いてからだった。
結華
結華
……何しに屋上に来たの。
もうすぐ授業始まるから、私は戻る。
そう言って戻ろうとした。
海都
海都
待って。今行ったら完全にクラスの皆敵に回すよ?
そう言われて、ピタッと私の歩く足が止まった。
そうだ。
今教室に行ったら完全に皆が敵になってしまう。
何されるかわかったもんじゃない
海都
海都
というわけで、俺と授業をサボr
結華
結華
嫌だ。
海都
海都
ですよねー、知ってた。
そう言いながら、私の腕を掴んで、屋上のフェンスの近くにあるベンチに座らせた。
海都
海都
俺ね、一回結華とじっくり話したかったんだよ。
結華
結華
あっそ。
私アンタのこと嫌いだから喋りたくない
海都
海都
気付いてたよ。
なんで嫌いなの?
私は、答えられなかった。
私が今まで海都に抱いてきた感情は、他の何者でもない























































「嫉妬」だったから。
私は、羨ましかったんだ。
海都が、私より成績がいいこと。
海都が、勉強出来るのに友達が多いこと。
海都が、文武両道の完璧人間であること。
海都が、私より勉強してないのに「天才」であること。
海都に、両親がいること。
全てが私より優れているから、「嫉妬」を「嫌い」にしていたんだ。
結華
結華
……私より、何もかも優れているから。
そう答えるのが精一杯だった。
海都
海都
………もしかして、俺が勉強してないと思ってる?
結華
結華
え、違うの?
海都
海都
してるよ、今日俺の家来てみる?
結華
結華
……うん。
そこまで言い終わるか終わらないかで1時間目終了のチャイムがなった。

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