私は一人暮らし。
「行ってきます」なんて言っても、帰ってこない。
ああ、またやってる。
つまらない、上辺だけの告白。
私は、こんなつまらない事に時間を使ってられない
もっともっともっともっと頭が良くなるように努力しなきゃ。
生前のお父さん、お母さんの夢だった韜晦大学へ行くために。
韜晦大学はとても頭が良い学校。
お母さん、お父さんはいつも「いつか結華が大人になったら韜晦大学へ行ってほしいなぁ」って、ずっと言ってた。
私は、そんな両親の夢を叶えるために毎日努力した。
塾も行った、家でも勉強した、学校ではわからない問題はないというほど予習復習を毎日して、毎朝5:00に起きてランニングと勉強。
両親はいつも誇らしげな顔をして、私を自慢の娘だと言ってくれた。
学校では「文武両道」やら、「怪物」やら、「天才」やら言われたけど、それは努力によるもの。
私の才能じゃない。
私は恋愛というくだらないものに時間なんて使ってられない
今日も自分の席について、高校3年生の問題集を開いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。