第6話

# 5
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2018/10/22 20:03
 
あんな悲惨な事故を目の前に

唯一の大親友が大きな1トンもあるトラックに轢かれ,

全てが絶望した私はもう歩く気力すら失われていた。


あの後、
救急車の人に近くの病院まで連れていってくれたのだ。
でも、
着いた病院の先の医師の人に時刻を告げられた時
私…自分自身の人柄も忘れ、
後から大急ぎで来たみおちんの両親2人を目の前で大泣きしてしまった。


なんとも、今思えば恥ずかしいけど…

でも、私はまだみおちんが完全に死んだとは思えない。

確かに、私の目の前からみおちんは
静かに息を引き取ったけど、
まだどこか胸の内で

みおちんはまだこの世界のどこかにいるんじゃないか?

とか

いつもの並木道からひっょこり現れるんじゃないか

とか思う。

そんな訳ないのに、そう信じたい自分が
どこか確かに存在する。


そんなまだ気持ちも間もならないまま
私は家を出て重い足取りを1歩、2歩と進めていく。









並木道を通りかかる。
いつもなら、みおちんと合流してここから
学校に向かうけど、それはもうない。
神崎 〇〇
神崎 〇〇
みおちんっ…

今にも零れ落ちそうな涙を
唇を噛んで必死にこらえた。

そして止まってた足をまた1歩、2歩、
力強く進めていった。

そんな調子でやっと学校に着いた。

私はもう無心で何も考えないで
自分の教室へと向かう。

何度も何度も人にぶつかっては
冷たい目で見られたり、怒鳴られたり
結構、キツかったけど、今は関係ない。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

教室に着き、整えたのに髪もボサボサ、
服には泥まで付いていた。

実はさっき、不良にぶつかって、何も答えない私に
腹が立ったのか突き飛ばされたんだ、


まぁ、見た目がこんなんだからずっとさっきから
冷たい目や何度こいつみたいな目で見られる。
高木 雄也
高木 雄也
はぁ…おはようございまぁす。

あ、雄也だ。

私の唯一、心が許せる人。


いつもなら明るく

(回想)
高木 雄也
高木 雄也
あ、あなたじゃん、おっは〜!

って声を掛けられるのに、今日は違った。



そのまま、クラスの仲のいい男子の方へと
向かって何かを話している。


でも目や体は私の方に向けられている。

え…もしかして私、雄也にも捨てられちゃった?



陰口を友達と言い合っているようにしか見えない。
神崎 〇〇
神崎 〇〇
なんでっ…雄也っ…

もう朝から涙腺が弱まっていた私は
意図も簡単に涙が溢れてくる。


そのまま教室を飛び出て、途中まで走っていった。


そのまま走り続け、屋上へと繋がる
階段の目の前までやってきた。



もう何も考えりなくなった私は、

階段をゆっくり確実に1段ずつ登っていく。




やっとのことで屋上に着いた。





無人の屋上で一人、柵へと向かっていく。




柵に足と手を掛け身を乗り出す。

下を見るとなんとも足がすくむほどの距離がある。








あぁ、私、こんな所で死んじゃうんだ。























やっとみおちんの所へいける。


























































もう、完全に誰からにも見捨てられた
私は生きている資格なんてない。






















もう、誰かの為に生きる必要なんてないんだ。






















そう…思ってたのに。























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