ウォヌ side
あなたの話が始まってからだんだんとホシの機嫌が悪くなっていたことを 他のみんなはあまり気付いていなかったと思う
だから出て行った時もトイレか?ってそのくらい
でも俺は不安で
もちろんあなたのことも大切だけどメンバーのことも大切だから。
みんなの俺への注目が少し減った隙を見て
ホシを追いかけて部屋から出た
あなたの声
でも見えるのはホシの背中だけ
ホシの向こう側からあなたの声が聞こえてくると気付く
どこにも俺が入る隙間はなくて
今あなたの笑顔が向けられているのはホシだということにも
この状況を見ているだけの俺にも嫌気がさす
ボソッと呟く
こんな事を考えている俺が居ることにも気付かない
わっと声のボリュームが大きくなって
ホシの手に小さい手が合わさっているのが見える
180センチ近いホシに隠れて20センチほど小さいあなたの姿こそ見えないけれど
どちらも幸せそうな顔をしている事は容易に想像がつく
嗚呼、
心底ホシが羨ましい
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!