第2話

あいつの一言
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2019/02/25 10:56
私は朝、1人シュート練をしようと体育館に向かった。


向かってすぐ誰かが1人ボールをついている音が聞こえた。
こんな時間に誰だろうか。そんなことを考えながらも

ガラガラっと体育館とドアを開けた。
あ、あなたじゃん
あなた

あ!!優ー!おはよう!

なんだ優かと思い、

私はボールを持ってシュート練を始めた。
男バスの奴らかと思ったらお前かよ
と、ボソッと優が呟いた。
あなた

悪かったですね!!
というか優にとって私は男でしょ?

ふざけて笑いながら言う。
まあ優に女の子って思われなくてもいいんですが。
優がブハッと笑いを吐きだした。
俺にとってお前はちゃーんと女だよ
笑ってた顔から急変し、
私にそう言った優の顔は真剣な顔だった。
私はどうせこれもからかいだろうと思っても
正直少し嬉しかったがドキドキまではしなかった。

少し嬉しかった気持ちを抑え私は突き放すようにこう言った。
あなた

は、は!?何言ってんの急に気持ち悪い!!!
逆に優に女なんて思われたくないわアホ!

少し自分の気持ちに嘘をついたが
この嬉しさが恋愛なんて一切思わなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
1時間目は私の好きな数学だ。
授業が始まると普段は集中できるのになぜだか集中出来ない。

“俺にとってお前はちゃーんと女だよ”

さっき優に言われた言葉がフラッシュバックした。
あなた

(いやいやいやいや何少しときめいちゃってんの私!!あんな奴にときめきも何もないわ!)

そう心の中で唱え授業に集中し、ようやく1時間目が終わった。
今日はあいつのせいで長い1日になりそうだと私は悟った。

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