3回くらいのコールで
ヨボセヨ?と、あなたの声が聞こえた。
それから、資料室で会う約束をして電話を切ると
あなたに会いたい衝動にかられて、
急いで資料室へ向かった。
資料室にはまだあなたは居なくて
俺が着いた数分後に、ガチャと、
扉が開く音がしてあなたが入ってくる
それと同時に、俺はあなたを抱きしめていた。
こんな余裕が無いのなんて初めてで
自分でも疑うほどだけど
きっと、あなた不足だったから。
一瞬、良からぬ感情が芽生えたんじゃないかって
思ったけど。
それはちがう。
きっと、あなた不足で、授業を頑張りすぎたんだ。
そう強く言い聞かせた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!