私は 中学三年生の時 いじめられていた。
外見が地味だから。って意味で。
でも私にはそんなのどうでもよかった。
友達なんて要らないと思ってたから。
そして 春。
この日私はこうこうせいになった。
中学校から遠く離れた 馴染みのない
高校に。
もう出会いなんて何も無いと思っていた
また、いじめられて3年間過ごすと、
想像がついていたからだ。
ある日帰ってたら 聞きなれた音が流れてきた。
私の好きな、バイオリンの音。
何故だろう、と その場所を訪れた。
その時 見た光景は 懐かしく、鮮明に
私の目に飛び込んできた 。
一戸瀬 唯人 。
私の。幼なじみ。そして、初恋の相手。
もう会えないと思っていた。
唯人とは違う 世界を生きていたから。
高校の行先なんて知る由もなかった。
まさか、同じ高校なんて そんなこと
ないと思っていた 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!