第15話

“ 卒業 ” × d.s
1,800
2019/03/11 15:03




「いってきます」


この言葉は今日まででおしまい。
そう、今日は卒業式。






『あ、あなたおはよ〜お』
「あ、重岡おはよー」


卒業したくないなぁ。
離れちゃうんだもん。
“好きな人”と。


『今日で卒業やな』
「そうやねぇ〜早かった」


告白したいけどこの関係を崩したくない。
ずっと仲良くしてたい。
だから、卒業なんて来なければよかったのに。




卒業式が終わって、



〈重岡先輩!ちょっといいですか...?〉
『お、なんや、?』


あぁ、多分告白だ。
なんて答えるんだろ、



ついてきてしまった。


〈...ずっと、私重岡先輩が好きでした。〉
〈付き合ってください...!!〉


やっぱりな、確かに重岡モテるもん。
それなりにイケメンやし。
先に告白しとけばよかったかなぁ。

と、後悔するばかりだったけど、


『俺、好きな人おんねん。ごめんな、』
『いつも明るくてな、話してて楽しい。
あいつのことが好きやねん。』
〈...っ、あ、いえ!ありがとうございます...〉
半泣きで走って校舎に戻る。



『...なぁ?あなた』
「...っ、え、?」
『ずっとおったんやろ?』
「え、あ、気づいてたん?」
『...ずっとあなたが好きやった。付き合って欲しい。』
「.....うんっ、当たり前やんっ、!」


そして重岡に抱きつく。
『...え、ほんま?』
「うん、ほんま、」
『嘘やな...い?』
「嘘やない」
『うっわ、ほんま嬉し...』
『大好きやで』


そう言って耳を赤く染めたあなたを
夕日が差していた。

プリ小説オーディオドラマ