休日の昼下がり。
ぼそっと呼ぶ声に顔を向けると、ヒョンジンは部屋のソファに寝転びながら、手を伸ばしていた。
いつもみたいな強引さはなく、どこか甘ったるい声。
“これちょっと機嫌いいやつだな”ってすぐに分かる。
そう返してみるけど、
ヒョンジンは笑って肩をすくめるだけ。
こいつ、ほんとに……。
文句を言いながらも、
足が勝手に動くの、ほんとずるいと思う。
隣に腰を下ろすと、間髪入れずに膝に頭を置いてきた。短い髪が触れて、ちょっとくすぐったい。
……やっぱ甘えんぼモードか
ぼそっと返すと、満足気に目を細める顔。
その顔が、なんだかすごく無防備で。
自然と、髪に指を通して撫でてしまう。
ヒョンジンの声が、思ったより真剣で。
指を動かすのを少しだけ止めた。
そんなこと、思わせてたんだ。
……僕って、そんなに不器用かな。
…ずるい。
そんなこと言われたら、言うしかなくなる。
ちょっとだけ間をおいて、視線をヒョンジンの顔から外したまま、小さな声でこぼす。
その瞬間、ヒョンジンが見上げてくる気配がして。
恥ずかしくて、目を合わせられなかった。
そんなふうに言われると顔が熱くなるのを
どうにも出来なくて。
おとなしくなった頭を撫でながら、思う。
なんでこんなに、言葉にするのが難しいんだろう。
でも__
声に出したら、ちょっとだけ軽くなった。
寝てるから、覚えてないよね。
また気が向いたら言ってあげなくもないけど。
それにしても寝ててもイケメンとか羨ましいなぁ。
うぅんなんか眠くなってきたかも…
ふふ、なんかジナが湯たんぽみたい
ずっと、僕だけの湯たんぽならいいなぁ
なんて。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。