第76話

ごじゅーきゅう
22,698
2021/06/30 22:24
ゴガッグキッグシャッッ



私は我を忘れて、ひたすら苦しんでいる呪霊を殴り続けた。


コイツを苦しませたかったから。


手加減して、でも強く。



ひたすら殴って、殴って、蹴った。


比較的狭い道だったので人通りはなく、コイツをボコボコにするにはうってつけだった。




すると突然、後ろから聞いたことの無い声がした。
??
うっわグッッロ!何やってんだお前
私は手を止めて、声がした方に目も向けずに返事をする
あなた
…………なに?
??
何してるも何もぉ
俺それを退治する仕事してんだわ
あなた
……そう。もしかしてこれ、貴方の相手やった?
せやったらごめん。でも親が襲われたんよ。
??
あ〜あれかぁ…ギリ息してるわ
早く病院にでもなんでも連れてけ
??
別に俺の相手とかもねーしな。
祓ったならそれでいい。
あなた
そう……
??
てかお前………何者だよ。名前は?
あなた
……そういうんは自分から名乗るもんやろ


私が振り返ると、そこには綺麗な白髪。

さらにサングラスをしていた。
??
あーへいへい
五条悟
五条悟
俺は五条悟。中一。
あなた
私は菱川あなた。同じく中一や
五条悟
五条悟
ほーん…
あなた
なに?早く親連れていきたいんやけど
五条悟
五条悟
いーやなんでもねぇ
……運ぶの手伝う。
あなた
…ありがと
五条は私の父親を背負って、病院まで着いてきてくれた。


2人は緊急オペ室まで連れていかれた。


私は泣きそうになりながら俯いて、すぐそこにあったベンチに座った。



五条は立ったまま、私の隣の壁にもたれかかっている。


固く口を閉ざした重い雰囲気の中、1番初めに声を発したのは五条だった。
五条悟
五条悟
お前…無個性だな
あなた
……は?なんで分かったん
そういう個性か?
五条悟
五条悟
そう警戒すんなって〜
安心しろ、俺も無個性
…は?
五条悟
五条悟
でも代わりに、呪力・・を持ってる。
ちなみにお前も持ってんぞ
あなた
え、私…が?なにその…じゅりょくって
五条悟
五条悟
あーまあその呪力があれば、さっきみたいな呪霊っつーバケモン倒せんだわ。
ちなみに選ばれたやつには術式・・があって_____
そこからも五条は、呪力や呪霊、術式などの専門用語を丁寧に教えてくれた。


(意外にも分かりやすく少し腹が立った)←

あなた
あーじゃあ、私にもその…術式があるん?
五条悟
五条悟
いや、分からん。人によっては、呪霊が見えても術式はねえって奴もいるしな〜
あなた
え、じゃあ分からんの…?
五条悟
五条悟
いや……俺にかかればかんたーん
てことで…"見せろ"
五条はいきなりサングラスを外して、こちらを見る。




その瞬間、私は息を飲んだ。


その…その青い瞳が、あまりに綺麗で。


私が見蕩れていると、五条が声を出す。
五条悟
五条悟
ふーん…おもしれぇ術式持ってんじゃん

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