ゴガッグキッグシャッッ
私は我を忘れて、ひたすら苦しんでいる呪霊を殴り続けた。
コイツを苦しませたかったから。
手加減して、でも強く。
ひたすら殴って、殴って、蹴った。
比較的狭い道だったので人通りはなく、コイツをボコボコにするにはうってつけだった。
すると突然、後ろから聞いたことの無い声がした。
私は手を止めて、声がした方に目も向けずに返事をする
私が振り返ると、そこには綺麗な白髪。
さらにサングラスをしていた。
五条は私の父親を背負って、病院まで着いてきてくれた。
2人は緊急オペ室まで連れていかれた。
私は泣きそうになりながら俯いて、すぐそこにあったベンチに座った。
五条は立ったまま、私の隣の壁にもたれかかっている。
固く口を閉ざした重い雰囲気の中、1番初めに声を発したのは五条だった。
そういう個性か?
…は?
そこからも五条は、呪力や呪霊、術式などの専門用語を丁寧に教えてくれた。
(意外にも分かりやすく少し腹が立った)←
五条はいきなりサングラスを外して、こちらを見る。
その瞬間、私は息を飲んだ。
その…その青い瞳が、あまりに綺麗で。
私が見蕩れていると、五条が声を出す。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。