S
あっ、ねぇ、見てこれ!ほら、私達の故郷が特集されてる!
私
またオカルト雑誌?
S
そうだけどほら、見てよ、ここ!
私
あ、ほんとだ。こんこん橋か。懐かしいな
S
あの辺よく散策したよねwクラス全員で集まって肝試ししたっけ?
私
違うよ。それ、綴山でしょ。ほら、ちょっと登ったところに小屋あったじゃん
S
あ〜!そうそう、杉山が数分で帰ってきたやつねw
私
『俺平気だから』とか言ってたのにねw
S
あれはクラスの皆笑ったよねww
私
まぁでも確かに綴山は林道とか沢山あるからね。
S
あぁ、竹道か。
私
っていうか肝試しの時、私達全然怖がってないイメージあるんだけどw
S
「私」なんか夜の山の景色は綺麗だね〜って言ってたしw
私
SだってずっとテンションMAXだったじゃんwあの湖ってネッシーいるかな!?とか終始言ってたしw
S
そうだっけ?w
私
そうだってばww
S
あ、たまご岬とか落とし池とかもあるね。
私
あれ、たまご岬ってなんか怖い話あった?聞いたことないけど…
S
昔はたまご岬にも都市伝説があったらしいけど、その都市伝説を聞いて訪れた若い人たちがたまご岬に行ったっきり音信不通で行方不明になっちゃったから、これ以上犠牲者を増やさないためにもその都市伝説を取り消したんだってさ。
私
へぇ〜
私
でもちょっとその話知ってるかも。
S
ん?
私
アナザーストーリーみたいに、後日談があってね、その行方不明になった人達の遺体は見つかってて、全員食いちぎられたような痕があったことから、何かの動物に食い殺されたか、もしくは食人鬼に殺されたか…みたいな話聞いたことあるよ
S
へぇ…食人鬼だったら……唄子さんかもね。
私
そうそう。私もちょっと思ったの。ほら、唄子さんならちょうど竹道と近いし。
S
うん、その節はあるかも。
私
……って、こんなオカルト相手に真剣に議論しなくていいんじゃww
S
たしかにw
私
はぁ〜、おしゃべりしてたらもう夕方になっちゃったね
S
本当だ。そろそろ帰る?
私
そうだね〜私今日スーパーに寄りたいし、早めに帰ろうかな
S
それじゃ、アイスかって帰ろっか
私
アイス買ったらスーパー寄る気になれないからダメ!w
S
え〜ケチぃ…
私
そんな顔したってダメです!ww
S
じゃあ明日はアイス買お。
私
それならいいよ。
S
やったぁ!じゃあ駅前の新しくできたアイス屋さん行こ!あそこいっぱいフレーバーあるの!
私
よく知ってるなぁwいいよ、明日は講習も2つだけだし、そのままカフェにでもいく?
S
!
S
行くっ!!
私
じゃ、また明日ね。
S
うん!また明日!
私
気をつけて帰るんだよ
S
はぁい!
7/26(火) 天気:☀️ p.m.…16:28
?
唄子さん……か
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!