第18話

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2021/06/23 12:48
カフェ
五条
え?都内じゃねーの?
あなた

うん。前話したんだけど…

やっぱり覚えてないか。
久しぶりに2人でお出掛けなのに、これは先行き怪しくなりそうだなぁ…
五条
聞いてねー。
やれんのかよ遠距離。
あなた

五条ができないだけでしょ。

へー、オレのせいなんだ。
と言ったっきり、何も言わない。
私は医療系の大学に入学し、後に研究室勤務を目指してた。
五条
これからどこ行くんだよ?
明らかに不機嫌になっている。
あなた

・・・うん。どこ行こうか。
ノープランだったからなぁ・・・
行きたい所ある?

五条
ない。
はい、キレてる。
この調子だと、煽ってくるか、機嫌悪いまま居座るか。どちらにしてもしんどくなる。ご機嫌とりしても通じないし…
思い通りにいかなくなると、スマホを見始める始末。そんな態度にもいい加減イライラしてくる。
五条
で、本題は
別れるとかそーゆー話し?
あなた

そんな話ししてないじゃん。

五条
(スマホを見ながら)
じゃ、思い出作りか?
いーよー、付き合ってやるよ。
あなた

…フー💢…
五条がそう思うなら、それでいいよ。

五条
諦めんの?(あなたをガチ見)
あなた

ねぇ・・・なんでも、自分の思い通りになると思わないでよ。

五条
あっそ。
…めんどくせ。
先に席を立ったのは私だった。
それから五条からは何の連絡もない。
卒業を控え、同時に寮を出る準備を始める。
こないだの件は、私が謝る事なんだろうか…
五条が続けられないならフッてくれたらいい。
祥子
悟と何かありましたか?
祥子が心配してくれていた。
夕食に誘ってくれて、少しホッコリする。
先日の話をした。あの日、ムカつくだけで席を立ったケド、根底はいつも五条に私の事で迷惑を掛けたくなかった。ただそれだけ。
だから、きっと遅かれ早かれ別れる選択をするのかも知れない。
あなた

振られちゃったかもね。

祥子
そんなことないですよ。大丈夫。
アイツの情緒がマジわからん。
でも…実は悟、今かなりメンタル弱り気味なんですよね。
数日前に五条は、夏油と再会したらしい。暴走し姿を眩ました彼に、五条は最期の手を掛けることができなかったそうだ。
祥子
…夏油の事で、何か考えているのか…様子がへんなんですよ。
だからあなたさんに伝えておいた方がいいと思って。。。
余計かもしれませんケド。
あなた

…そっか。
教えてくれてありがとう。

五条の気持ちを思うと、胸騒ぎがする。
弱い人間じゃないけど、心の支えは唯一夏油だけだったんだろう。失ったモノが大きすぎる。
私は今の彼に何ができるだろうか。

ダメもとで五条へ連絡してみようかな。

LINE
あなた

少し会えないかな?

返信がきた。
五条
報告書終わったら連絡する。
任務だったんだ。
―校庭のベンチ―
五条
なんだよ?
あなた

ん?…特に話す事はないんだけど…

五条
はぁ?自分から呼び出しておいて
なんだソレ。
あなた

会いたいな、と思ったから。

五条
あっそ。…引っ越しの準備終わった?
あなた

うん。ずいぶん片付いたな・・・
この間は…ごめん。言い過ぎた。

五条
ぜって~許さね~。
1人にされてどれだけ恥ずかしかったか。分かる?
カラダで払って貰うからな~
あなた

ハハハ、嫌だし。

確かに、思い詰めてる感はある。
口数も少ない。
五条
・・・・・傑と会ってさ。
あなた

…うん

五条
・・・違ってたんだな~…
オレは、自分が最強になれば、色んなことが救えると思ってた。
五条
でも、
オレだけ強くてもダメらしいよ。
あなた

…ん。

五条
ハハ、なーんもできなかった。
傑、目の前にいたのにさ。なーんも。
あなた

ん…そっか。

五条
フッ、だっせー。オレ。
唯一無二の存在の夏油を自分の手で終わらすなんて…でもそれが五条に課せられた使命。
五条は大切な親友に、何かを気付かされたのかも知れない。

迷わず自分を信じて進んだらいいよ。
五条の選ぶ道は、きっと間違ってない。

いまだに夏油が起こした事件を信じられていない感じもあり、こんなにも沢山の感情にブレーキを掛けている彼を初めて見た。

膝の上に乗ってる固く握りしめた手に、私の手を重ねる。
こんな事くらいしかできなかった。

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