第4話

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2021/06/04 16:11
あれから五条とはまともに、話してない。
ケンカした訳じゃないのに、なんだか気まずい…
見掛けても、前みたいに私からは声は掛けなかった。

あの時、真っ直ぐ私を見る五条の目が、私の弱い心を貫きそうで、逃げ出したかった。

このままでは高専の言いなりにしかできない、何もできない自分がキライ。
でも、それを上手く取り繕うとしている私は
もっとキライ。


助けてほしい。




ガラッ
医務室のドアが開く。
チラッと目が合った気がした。
五条
祥子、こないだの報告書知らない?
机ん中にないしさ、こっちにあるかな~と思って。
祥子
はぁ?
アンタの部屋じゃねーんだよ。
あたしはあんたのママでもないから。
五条
アレないと、マジ報酬出ないからっ。
あなた

(モクモクと授業の準備をしている)

祥子
マジで知らないし、あなたさん知りませんか~?
あなた

え、知らない。
私、授業たから教室戻るね。

五条
あっそ。
冷たくしてしまうのは、予防線。
そそくさと教室へ向かう。

子供なのは私の方だった。

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