第15話

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2021/06/16 10:52
しばらく五条の姿はなく、祥子も教室にもいないと言う。どんな気持ちでいるのか気になったけど、私は何もできず、自分の処分の日をただ待つだけだった。
1度帰宅途中に高専へ向かう五条の後ろ姿を見掛けたケド、夏油の事があって声を描けることができなかった。

時が立つに連れ、平穏な日が戻ってくる。
祥子
あなたさん、もぅ医務室に来ないって事ですか?
あなた

うん。私のカリキュラムは必要なくなったから。
祥子には感謝だよ。仲良くしてくれて、ありがとネ。ホントに楽しかったよ~ハグ

私は能力強化は必要なくなった。
普通教育のみで卒業を迎える。
その間に処罰を受けるだろう、
それは上層部が決めるから、まだ分からないけど。
祥子
ホントに淋しいんですけど…
ここでやって来たことは医務室で必要な事だけだし、今までと同じくここで役立てたらいーじゃないですか?
あなた

そーしたかったけど。上の方々がね。
祥子もちゃんと休んでよ。目のクマは大敵でしょ。また出掛けようね~。
連絡するしさっ。

荷物をまとめ、寮に戻る。
明日からは教室と寮の往復になる。
早く下校もできる。暇時間が増えちゃうな~。
なんだか今日は部屋に居たくなくて、
気晴らしに散歩に出掛けた。
あなた

ぁ、五条…

正門の階段に座っている五条を見つけた。
あなた

お疲れ様~

五条
おー、おつかれ。
久しぶりだな。元気してた?
あなた

うん。元気してたよ。
五条は忙しいみたいだね。

五条
まぁな。
つか、私服?出掛けるの?
あなた

うん。ちょっとその辺ブラブラとしよーと思って。

座ったら?て隣に座った。
買い物に付き合った以来の再会。
ちょっと、緊張する。
あなた

私、今日で医務室卒業したんだ。

五条
そっか、もぅ居ね~んだ。
あ、学長から連絡は?
あなた

ううん。まだ。

五条
ふ~ん。オレ待ちって訳ね。
学長の前で五条が私の能力を全て消す事になる。
五条
あのさぁ。今更なんだけど
あなた

ん?なに?

五条
オレの携帯番号って、知ってた?
あなた

え。知ってるよ。

五条
だよなぁ。
なんだ?
五条
なんで連絡してこねーの?
あなた

え?…なんでって…
学校で会ったり話したりできるし…
特別急ぎの用とかなかったし…?

五条
オレ、あなたの声
聞きたくなんだけど。
え?
あなた

ま、まっさか~。何言ってんのよ。
え、どーしたの、急に。

いつか夏油に言われた事を思い出した。
真っ直ぐで分かりやすいって。
五条
まっさか~。じゃねーよ。
あなた

///ハハ…そんな事言われても…ねぇ…
か、彼女いるんじゃなかった?
私、悪者にはなりたくないもん。

五条
はぁ?
女いるなんて言ったことねーじゃん。
勝手に決めつけんなよ。
あなた

…それは、ごめん。

ストレート過ぎて傷つく事もあるけど
ウソつく事なかったもんね。
五条
ア゛~・・・じゃなくてさ~
五条
いー加減認めたら?
言っとくケド
結構モテるからね~オレ。
あっそ。
きっと五条は知ってたのかもね。私のキモチ。
あなた

…へへっ。引く手あまただね。

五条
…いつまで待たせんだよ。
こんな急展開ある?信じられない…
あなた

…待ってた…の?

五条
力ずくでも分からせてやろーと思ったこと、何回もあったわ。まじで。
…現実なんだろうか。夢見てるのかな。
あなた

…コクン。そーだね、…認める。
スーッ(深呼吸)クスッ、ニコッ
おまたせ~ヘヘ

五条
フッ・・・おっせーよ。
ハハハあー長かった!(立ち上がって、う~んと伸びをする。)
正門の前にハザードを出した車が停まった。
あなた

…あれ?これから任務?

五条
そ。ちょーど来たな。
タイミング良かったわ。解決しない事にはしんどいだろ?オレもあなたも。
んじゃね~。
ヒラヒラと手を振りながら、長い階段を降りていく。私は彼の背中を見詰めるのが精一杯だった。
五条
(振り向く)あなた
あなた

ハッ。え?なに?

五条が私に向かってくる。
あなた

近っ。ど、どーしたの?///

五条
2、3日戻んねーから、連絡する。
・・・な。
あなた

///うん///

五条
ん。
軽く、おでこにキスされた。

五条
あんま、のぼせ上がんなよ。ハハ
じゃぁな。
チカラが抜けそうだった。
五条の瞳はウソをついていない。
素直になると言うことがキモチを楽にさせてくれる。



その夜早速メールがきた。
五条
さっきホテルついた。
あれから出掛けたの?
疲れたから、風呂入って寝るわ。
またな。おやすみー✋
五条らしい。
初めて繋がったLINE。
あなた

お疲れ様~
あれから寮に戻ってのぼせてた 笑
ゆっくり休んで。おやすみなさ~い。

フッ。絵文字なしかよ。
5日後に私の処罰が執行されることになった。

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