第9話

*9*
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2020/05/17 08:48

朝、目を覚ますと、外が一段と寒かった。

窓を除くと、雪が降っている様だ。


………綺麗、だ。

雪景色に誘われて、ふと外に出ると、


イヴが少し高い氷塊の上に座り、

雪を眺めていた。

指先で雪の結晶を弄ぶ姿は美しく、

冷たい風に吹かれて、

白い髪が揺れている。
アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
早朝なのだから、コートを羽織らないと風邪をひくぞ………?
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
………寒さには、慣れてますから
アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
いくら君でも、体に良くない

私は持っていたコートを彼女にかける。



いくら寒さになれているとはいえ、

体には良くないだろう。
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
アダムさんは、いつも優しいですね
アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
そう………か?
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
ええ。
全く冷徹なんかじゃありませんよ

彼女といると、なんだか心が暖かくなる。


氷や雪を溶かす情熱的な暖かさではなく、
それでいてポカポカするような。

アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
それにしても、朝早いんだな。
初日くらい、
ゆっくり休んでいても良かったのに
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
ふふふ、朝決まった時間に起きて1日を占う………もう随分長い間そうしてきましたから
アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
今日の占いの調子は?
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
中々良好です。
今日も良い日になりそうですよ
アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
そうか。それは良かった

イヴの占いはよく当たる。

そうやって小さい頃から国を守り続けているのだから、凄いものだ。

アダム=ユーリエフ
アダム=ユーリエフ
さぁ、そろそろ戻ろうか。
体が冷えるといけない
イヴ=クリスタロ
イヴ=クリスタロ
ええ。戻りましょうか

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