生まれた時から、晴人の隣は私だった。
晴人は私を恋愛対象として見たことはなかったの?
一度も?
それとも、通り過ぎて “ 家族 ” になってしまった?
そんなの酷すぎる。
だって私は通り過ぎずにとどまって、晴人を待っていたのに。
晴人は、待ってくれなかった?
.....違う。
こんな考え最低だ。
そもそも恋愛対象として見られてなかったかもしれないのに。
このやり取りがしたいがために、
10分遅れて行ったなんて言ったら、ひかれるかな...
──────────
家に帰る道。
何度も晴人と通ったいつもの帰り道。
もし、晴人が亜美ちゃんに告白したら、
この道を晴人と並んで歩くのは、
あの子になっちゃうの...?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!