ジン先生のひと言で心底ホッとしたのも束の間、やっとの思いでここまで運んでくれたことや汚れた衣服を取り換えてくれたことを聞いて、先程とはまた違った罪悪感に苛まれた。
自分の都合でお酒を浴びるほど飲んで、それでジン先生に迷惑をかけるなんて最低だ。
どうしようもなく、私は馬鹿だ。
こんな風に簡単に落ちるところまで落ちていく自分に嫌気がさす。
このままじゃダメだ、なんとかしないと……とすぐに奮起するものの、一瞬でもジミンの影がチラつくとそんな気力が全部抜けていってしまってはまた泣くことしかできなくなる。
と言ってくれたソラさんの言葉を武器に立ち上がろうとした。
お義母さんに言われた励ましの言葉を盾に立ち向かおうともした。
けれど"このままジミンが一生私のことを思い出してくれなかったら"という不安がいとも簡単に私を縛って離してくれない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。