第56話

25.
400
2021/04/21 17:40
you
you
______……ダメッ!
ジン先生
ジン先生
……ダメ?
you
you
ダメ、できないっ
ジン先生
ジン先生
どうして?
you
you
ジミンが……っ、悲しむ、から。
私の記憶の中にある、ジミンが……悲しんでるっ




めいっぱいの力を込めて、腕をピンと伸ばしてジン先生の身体を遠ざけた。
大粒の涙は止まることをしない。
このまま彼に抱かれていれば、また何か変わっていたかもしれないのに。
ジミン以外の人を知ってしまえば、ジミンを忘れられると思ったのに。
ジン先生が私に覆い被さるまでのほんの数秒の間に、ジミンの顔が浮かんできた瞬間我に返った。
なけなしの理性で熱くなった身体をどうにか堪えた。


ジミンは私のことを忘れたくせに、未だにこうして私を自由にしてくれない。
たっぷりと私を愛してくれていた頃の彼が、それを咎めるんだ。

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