第51話

20.
406
2021/04/15 17:28
かろうじて下着は身に着けているものの、私のものじゃないTシャツ姿の自分から失った記憶を連想させて______……思わず大きな音を立ててベッドの脇からずり落ちた。



ジン先生
ジン先生
______あなたちゃん起きてる?
今ものすごい音したんだけど?
入るよ?
you
you
ジ、ジン先生!?
あの、ちょっと待ってくださっ
ジン先生
ジン先生
おっとごめん、もう開けちゃった




扉越しに目が合ったジン先生の視線を急いで逸らす。
やっぱり間違いない、ここは彼の家だ。


今の状況が把握できないだけじゃなくて、どうやっても思い出せない空白の時間に起こった出来事を想像して怖くなる。
私……ジン先生と、そういうことをしてしまったのだろうか。
いやいや、いくら酔っていたとはいえ流石に最低限の一線は超えていないはず。


でも待って、私はあの時意識を失っていた。
だとしたら、きっと______……そういうこともあり得る、のだろうか。

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