________________
瞼の上から容赦なく差し込む太陽の光を頼りに、引っ張り上げられるように意識を繋いだ時にはもう、すっきりとした朝に変わっていた。
あまりの日差しの強さに手で遮りながら、辺りを見渡して……出かかった言葉を飲み込んだ。
目の前に広がるのは真っ白な天井。
始めて見る間取りの部屋に、知らないインテリアたち。
ましてや自分が今、この見たこともないキングサイズのベッドに横たわっていることが何よりも焦りを増幅させていく。
混乱しながら慌てて身体を起こした途端、ズキッと痛む頭を押さえて蹲る。
その時視界に飛び込んできたのは明らかにサイズの大きいTシャツを身に纏った……自分の姿だった。
記憶を失ったジミンの気持ちが少しだけ分かったような気がする。
確かに私は夜、ソラさんと2人でいつもの居酒屋でお疲れ様会をして、ジミンがキャバクラに行ったと聞いて自棄になりながら大量にお酒を飲んで、それから……。
そこから今に至るまでの記憶が、まるでない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!