恥ずかしそうに、少し顔を赤くしながら様子を伺うようにそう聞いてきたジミンが、不謹慎ながらもとても可愛らしくて思わず笑ってしまっていた。
ジン先生の簡単な紹介と、それからいつもあんな風にからかってくるけれど実は面白がってやっているだけだと説明すると、ジミンは肩を撫で下ろすように安堵して、けれどまだどこかで不安が拭いきれていないといったような複雑な表情で私にキスを落とした。
と、何度も同じようなことを聞いてきては1つ答えるたびにキスをして、少しずつ距離は近くなって、しまいには服1枚の隔たりさえなくなっていた……あの夜。
あの頃の日々がもう一度手に入るなら、私はどんな苦労も受け入れる。
ジミンがもう一度私のことを思い出してくれるのなら、どんな困難も乗り越えるよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!