午前中のミーティングも終わり食堂で昼食を食べていると、むすっとした顔のヨンフンが目の前に座った。
ヨンフンが指差す方向をみると少し離れたところで5人で食べてるのが見えた。
相変わらずヨンフンは不機嫌な顔で荒々しくごはんを食べている。
こくこくと、頷く。
ごはんをいっぱい頬に詰め込んだヨンフンに睨まれる。
どうやら朝のやりとりを見ていたらしい。
泣きそうな顔でヨンフンを見る。
ヨンフンは、少し俯いて前髪をくしゃっと乱した。
次の言葉を紡ごうと口をかすかに開く。
伝えるのは自己満足だ。受け手のあなたのことを考えずに自分だけスッキリしようとしている。伝えるときっとあなたは困るだろう。
あなたの手が小さく震えてるのをみて、ヨンフンは手を重ねた。
頭をぽんぽんと撫でてから、ヨンフンは食べ終わったお盆を持って食堂を出た。
告白するならもっとロマンチックなところにしたいと思ってたのに、こんな食堂で。
後悔するけれど、もう我慢もできなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。