第23話

DOMIO
1,062
2020/01/12 13:46
次の日、いつもと同じように朝のモップがけのために練習室の扉の前まで行くと、ガラス越しにヨンフンの姿が見えて慌てて隠れた。
you
(なんで隠れたんだろう…)
変に意識してしまってどんな顔で会えば良いのかわからなかった。でも掃除は絶対にしなければならない。堂々と入るしかない。

意を決して扉を開けると、目の前にヨンフンが立っていた。
ヨンフン
ヨンフン
おはよう、あなた。昨日はぐっすり寝れた?
ヨンフンはいつものようにキラキラとした笑顔だ。あなたは眉間にシワを寄せる。
you
寝れるわけないよ…
ヨンフン
ヨンフン
それは嬉しすぎて?
顔が赤くなってしまう。
ヨンフン
ヨンフン
可愛い
頬を触れられて微笑まれると、もうなにもできない。昨日までの距離感とは全然違って、あなたは困り果てた。
ヨンフン
ヨンフン
僕は嬉しかったよ。やっとあなたに好きと言えて。
ヨンフン
ヨンフン
好きな人に好きだって言える幸せわかる?
ヨンフン
ヨンフン
あなたも言ってみたらわかるよ
首に腕をかけられ、額と額がくっつくぐらいの距離感で見つめられる。嘘もごまかしも通用しない。
you
言ったら、私、おかしくなる
ヨンフン
ヨンフン
どうして?
you
止められなくなっちゃうから…
ヨンフン
ヨンフン
……止める必要、ある?
ヨンフン
ヨンフン
ちゃんと受け止めてあげるから、言って
ヨンフン
ヨンフン
僕のこと、好き?
唇が震える。けれどもう、抑えることはできなかった。
you
好き
その瞬間、力強く抱きしめられる。
胸の奥が、熱い。ヨンフンの体温も熱くて、溶けてしまいそうだった。
ヨンフン
ヨンフン
よく言えました
目と目があって、引き寄せられて唇を重ねた。

好き。好き。大好き。

ダムが決壊したように次から次へと気持ちが溢れていく。ヨンフンもそれに応えるように、深く口付けをする。

それは、まるでDOMIOのようで。

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