第30話

377

2020/08/19 19:45

あなたが真琴と歩いていると向かい側からモトキ、シルク、マサイがこっちにきた。

あなた

モトキ！シルクも。マサイも。
これからどこか行くの？

シルク

何か普通じゃね？(小声)

マサイ

隠してる様子はなしだな。(小声)

モトキ

あなた。ちょっと来て！

モトキはあなたの手を引っ張って歩き出す。

あなた

ちょっとモトキ！真琴ちゃん、ごめんね！

～シルク・マサイside～

シルク

おい！モトキ！

マサイ

聞こえてないね。

真琴(まこと)

・・・

シルク

ハッキリ聞きます！あなたの何ですか？

マサイ

何故、一緒にいたんですか？

真琴(まこと)

ちょっと場所変えませんか？
そこで全然話します。

～近くの公園～

シルク

本当のことを話してくれませんか？

真琴(まこと)

はい。今日はあなたと買い物に行ってきたんです。約束はしてなくてたまたま偶然会って。

マサイ

偶然会って買い物に？

真琴(まこと)

はい。彼女…一人で買い物に行こうとしてて。一人にさせるのは心配だったので一緒に行こうと。

シルク

あなたはあなたが好きなんですか？

マサイ

もちろん恋愛の好きですよ？

真琴(まこと)

彼女は恋愛対象ではありません。

シルク

恋愛対象じゃないのにずいぶんと親しそうでしたね。

マサイ

手まで繋いで。

真琴(まこと)

彼女は妹のような存在です。

シルク

妹ね。でもあなたはもしかしたらあなたに恋愛感情持ってるかもしれませんよね？

真琴(まこと)

それはありません！

マサイ

何故言い切れるんですか？

真琴(まこと)

実は…自分…恋愛対象は男性なんです。あなたは小さい頃から隣に住んでて仲良くしてました。

シルク

えっ？恋愛対象…男？

真琴(まこと)

よくあなたにはイケメンだけど心は女の子って言われてます。さっきも兄？姉のようだと言ってました。

マサイ

そうだったんですか。

シルク

何か…勘違いしてスミマセン。

マサイ

申し訳ありません。

真琴(まこと)

いえ、こっちが誤解を与えてしまってごめんなさいね。まさか彼氏と会うなんて考えてなかったから。あなた大丈夫かしら？

シルク

とりあえずあなたの部屋に行ってみよう。

マサイ

うん。

真琴(まこと)

あの…あたしも行っていいかしら？

シルク

もちろんです。

マサイ

…本当におねえなんですね！

真琴(まこと)

はい。あたしがおねえだって分かったときはみんなビックリします。

シルク

でも服装は男性なんですね。

真琴(まこと)

仕事上この方がいいんです。

マサイ

失礼ですがお仕事は？

真琴(まこと)

デザイナーやらせてもらってます。

マサイ

へぇ。お名前を聞いてもいいですか？
あっ、俺はマサイと言います。こっちはシルク。

真琴(まこと)

北川真琴です。

マサイ

知ってます！俺、北川さんの服、大好きなんですよ。着やすいしデザインもカッコ良くて！

真琴(まこと)

ありがとうございます！今、スランプに入ってて。でも彼女と出掛けたら刺激を受けてスランプ脱出できそうなんです。

シルク

刺激を？

真琴(まこと)

あなた、彼氏にプレゼントを買いに行ったんですけど一生懸命選んでて。決まったあとはスゴくいい笑顔してて。人を大切にする心を少し忘れていたような気がします。

マサイ

スランプ脱出できるといいですね。

～あなたside(あなたの部屋)～

あなた

モトキ。手痛い。

そういうとモトキは乱暴に手を離した。

モトキ

まさかあなたに浮気されるとは…

あなた

浮気じゃない！

モトキ

じゃ何で二人でいたんだよ！手まで繋いで。どう見たって浮気だろ！

あなた

それは…(プレゼント渡せそうな雰囲気ではないな。)

モトキ

お前が好きなのは俺じゃねーのかよ？

あなた

モトキが好きだよ。

モトキ

たぶんお前の好きと俺の好きは大きさが違う。何か今回のことでよく分かった気がする。

あなた

何それ。

モトキ

お前の気持ちが他の人へ向いてるって思った瞬間、何か冷めたわ。

あなた

モトキ何言ってるの？

モトキ

もうお前はいらない。これからは俺に関わらないで。

あなた

ちょっと待ってよ！私の気持ちが他の人へ向いたって何？

モトキ

触らないでもらえる？
もう一緒にいたくないから帰るわ。

あなた

モトキ待ってよ！

モトキ

電話番号もアドレスも消すからお前も消せよ！

あなた

そんな…そこまでする？

モトキ

もう関わり合いたくないから。

あまりの衝撃に言葉が出ない。
そしてモトキはそのまま部屋を出ていった。

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第31話 31

鬼武舞璃

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。