第4話

僕の恋はビター 男の子
43
2021/07/19 15:17
僕は人を好きになれなくなった















小学生時代



近くの公園でよくみんなでバスケをしてた


そこは病院の近くでよく看護師さんがコケたら手当をしてくれた





僕はスポーツは昔から大好きだった

それは……幼なじみの女の子がすごいねって褒めてくれるから



何より嬉しかった



僕はその女の子が好きだった


なのに


バレンタインデー



世の中の男はみんな願ってるだろう
好きな子からのチョコレートを






僕は


毎年幼なじみから貰ってる





今年もまた









『はいバレンタイン』

『 ありがとう』


今年もまた何気ない会話だったけど


『 今年のは本命……なんだよ』/////

少し恥ずかしげに言う彼女がすごく可愛かった



それって

『好きだよ』


『 僕も……好き』


こんな僕達のことを大人たちは
可愛い……ませてる……


などと言うだろう


彼女は顔を赤くして
『 またね』
とだけ言って走って帰った





次の日


学校


彼女が事故にあった


トラックの居眠り運転だったらしい
幸い命は取り留めた……

僕は学校を飛び出して病院へ向かった

と言いたいところだったが


僕は病院を知らない……
そして行ったとして先生たちに途中で捕まるだろう
そんなことをして無駄に時間を取りたくない
急がば回れ
だから彼女に会うために僕は授業を受けた
この選択が正しいかなんて


学校の帰りの会が終わり



お母さんが知ってるんじゃないかと思い
急いで家に帰った


するとお母さんは出かける用意をしていた


お母さんが
『 会いに行こうか……』
と言うから僕は
急いでランドセルを下ろした


彼女の病院に着く前に
お母さんに言われた


『絶対に取り乱しちゃダメ……
向こうの親御さんも辛いんだから』





僕はよくわからなかった


取り乱す?

彼女は助かったんでしょ?






彼女の病室に着くと


彼女はベットで人工呼吸器をつけていた

彼女を取り囲むように両親や
親族がいた



僕は彼女のお父さんに
呼ばれて彼女に近づいて

彼女の両親は泣きながら
『 この子はずっとあなたのことが好きでねいつも家に帰ってからあなたの話をしてたの……この間のねバレンタインもあなたのためにって…………でも事故にあって……今は……人工呼吸器がないと生きられないの……そしてつけていても……一生……目覚め……ることは……ないでしょうって言われてる』





僕は衝撃的だった


まるで本当に雷で撃たれたような……
こんなことを表すより

雷に撃たれたような恋なら良かったのに……
僕はその場で泣いてしまった

一生懸命声を殺しながら

泣いた……




彼女の両親は

人工呼吸器を外して
彼女を楽にしてあげたいらしい
目覚めないのに……こうしていても
彼女は天国へ行けないと……




僕はそれに同意した


小学生という年齢でこんな結論を同意するなんて変だと言われるかもしれない
普通はトラックの運転手に復讐の心抱くような

僕はその感情は確かにあった
あったはずなのに

彼女の優しい顔を見ると

そんな気持ちが薄れていく
それでもやっぱり憎い





でも彼女を少しでも幸せにしたいそう言う思いを込めて……



そして葬式の日


彼女はずっとドライフラワー作りが大好きで
よく僕にもくれた

今まで彼女が作ってきたドライフラワーを棺に入れた

そして多すぎて残った分を僕は貰って
大切にまるで赤ちゃんを抱くように優しく持った
それは4年経った今も枯れずに咲いている
普通は1年近くくらいしかもたないらしい
けど彼女の特殊な加工により長く保っている








今日は月命日

僕は……俺は彼女のお墓へ
片手にはドライフラワーをかかげて


正直ドライフラワーを備えていいものなのかは分からないが

アメリカなどでは
永遠に咲く花として亡くなった人に感謝を伝えるときに使うそうだ


花の種類はアマランサスとスターチスと千日紅

花言葉それぞれ

不滅 終わりのない愛

変わらぬ心 途絶えない記憶

色あせない愛



もう君以外を愛せないよ




あの時君がくれたチョコ

いつもと違って少し苦く……いや
それは……君がいないからかな……


ずっと愛してる
中1の時


愛した彼女に似ている女子2人を見つけた


1人は性格が似ていて
もう1人は顔が似ていた

生きていたらこんな感じだったのかな




だから俺は自然と彼女たちに普通の人以上に優しく接してしまった
向こうから
告白されて

もしかしたら彼女と同じくらい愛せるのかと思って
付き合うことにした

けどやっぱりダメだった

どんどん彼女が変わっていった


相手にこんな事を求めるなんて……クズだな俺


そして彼女は他に好きな人ができたと言って

別れを告げた

そのあと彼女は色んな人と付き合っては別れを繰り返していた



その後

少し天然なあの子……
に興味を持ってしまった
ほっとけない感じ




どんどん心を惹かれて……




いや……違う


俺は彼女しか愛さない






ついうっかりその子を
可愛いって言ったりしてしまう


だから俺は距離を取った




その子のためにもこんなクズを好きにならせないように優しくしては離れるを繰り返していた





今年もまたバレンタインデーがやってきた




悲しい彼女の命日前日

この日


元カノから寄りを戻したいと言われた
こんなクズをまた好きになってくれたんだ


うれしかった


だけど

『 ごめん』

俺は走り去った
どうしていいかわからず

また最低なことをした

そのあと心配で様子を見に行くと
彼女が親友がいたから大丈夫かと思って

その場を離れた



そして命日また彼女の墓参り


そこで彼女のご両親に会った


『もういいよ 』

『 え?』
俺は驚いた
『 あの子は君にここまで愛されて幸せだ』
『 だからあなたはあなたのために恋をして』
そう言われた



そして衝撃的な事実を……



卒業式



高校ではもう誰も傷つけずに過ごそう……
そんなことを考えてた

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