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第5話

私の恋はビター 卒業式編
29
2021/07/19 15:58
卒業式


僕が好きだった彼女は



僕の事が好きだったらしい
そんなことを卒業式3日前に聞いた

卒業式
僕は……この気持ちにに区切りをつける



前日に一通にメールを送った
『 好きだ』








『 私も…好きで…す。』



まるでドラマのワンシーンのように


桜吹雪と共に聞こえた


彼女の気持ち




今まで思わせぶりなことをしてしまったのは
自分でもわかってる
きっと彼女も呆れて
断られる
思ってたのに……





ありがとう


いつも隣にいて
どんなときもそばにいてくれた


大切にする




だからこれからもよろしく






私は……

彼女の言葉にときめいている


知らず知らずのうちに
恋……






いや








違う





本当は気づいていたはず


だけどずっと気づかないように


好きな人を無理やり思い込みだと
言い聞かせてた部分があると思う


バレンタインの日あの涙は多分素直になれない



本当の気持ちを伝えれなかったことに泣いたのだろう


偽りの自分に……





今どきLGBTなどを変だと思うことは少ない
むしろ
BLとかが人気になるくらいの時代だ






怖がって……







彼女が言ってくれなかったら



ずっと自分の気持ちを閉じ込めていただろう







あぁ









なにしてんだろう


















こんなにも大切で
心から愛してると伝えたかった相手が
すぐそばにいたのに……




ごめんね


ずっと言えなくて
助けて貰ってばかりで
ありがとう













『 私も……好き』













その言葉を聞いて



驚いた




現実を一瞬疑った





『 私……ずっと好きだったけど関係を壊したくなくて…気付かないふりをしてたのかもしれない……もし言ってくれなかったらずっと言えてなかったし自分の気持ちに気づけなかった』




彼女が小さな声で
でもそれでいて力の入った声で

話している彼女……





私は涙が止まらなかった






こんな事なら
もっと早く言えたら良かった













私達は




恋愛の迷路の果てに
愛し合えるという喜びを……
苦しかったからこそ感じる思いの強さを
感じた





そして私たちはあるメールを送った








私はある一通のメールを貰った









卒業式が終わったら会いたい







私はどうしたんだろう?と思った



私はとりあえず卒業式の後彼に会いに行った

『 何も言わずに聞いて欲しいんだ』

私は頷いた



好きだ
君の天然なとこや思いっきり笑った笑顔が好きなんだ
僕は君に惹かれていった』
こんなに嬉しいことは無いと思った
『 君のことが好きだったでも気持ちを伝えられなくて
可愛いとか思いが時々溢れて
君を惑わせて傷つけてしまったかもしれない』
確かに傷ついたこともたくさんあったでも
それを忘れてしまうくらい
君に溺れていた


けどまだ返事ができない

ひっかかってる
ことがある



その時

ピコン

スマホに通知が来た
見てみるとあの子たちからだった



ごめんなさい

あの時自分だけ選ばれないのが嫌で
ついあなたに意地悪をしてしまった
本当にごめんなさい


そのメールを見た瞬間
ほっとして涙が溢れてきた


彼の言葉に嘘偽りはないんだって




私は彼に抱きついて



『 私も好き』
この恋は苦いビターのような恋かと思ってた

でもビターの中苦いにある甘さに





この先すれ違っても
どんなに苦しくてもその中に
また愛を感じれるように……








END

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