私は明るくて元気でみんなと仲がいい……
嘘。
本当の私は根暗で1人でゲームをしてるのが好きなオタク
明るい私は作り物
ある日初恋をした
そして彼と付き合った
彼といるととても幸せだった
だったけど
彼は違った
彼は…他に好きな人ができた
多分
その人の性格と私の作った性格は似ている
デートの時
聞こえてしまった
『……なら言わないのに』
その言葉の前に名前のようなものが聞こえた
少しだけ自分を見せただけで。
このままじゃ私は……
本当の私は好きになって貰えないなら
いっその事別れてしまおう
その後私は
色んな人と付き合った
本当の自分を好きになってくれる人を
それでも彼以上に好きにはなれなかった……
ある日私の友達……
唯一本当の私を知る友達が
「寄り戻したら?」
と言ってきた
「今は好きになって貰えなくても時間が自然と本当の愛に変えてくれるはずだよ……
こんな事言うのも恥ずかしいけど。」
私は彼女の言葉に勇気をもらい
また寄りを戻したいと強く思うようになった
その後友達の助けも借りつつ
今は明るい自分で
少しづつ
本当の自分を好きになってもらおうと思った
だから私は
明るい=人とのスキンシップが多い
そんな自分を作り上げた
そして話の流れで抱きついたり背中に乗ったり
正直嫌われるかと思っただけど
そうでもして好きになって……欲しかった
触れたかった…
バレンタインデーに私は彼に寄りを戻したい……
そうするはずだった……
バレンタインデー5日前
私は見てしまった
彼があの子にチョコの話をしている所を
急がなきゃ
当日じゃダメ
前日に……
前日
『 寄りを戻したい』
私はそう言って彼にチョコを渡した
彼好みのビターなチョコを
彼は
「ごめん」
とだけ言って帰ってしまった
私はその場に崩れ落ち
泣いた
雪が降ってたから寒いのに
体よりも心の方が寒くて
辛くて……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。