第2話

私の恋はビター 元カノ編
29
2021/07/19 14:57
私は明るくて元気でみんなと仲がいい……





嘘。

本当の私は根暗で1人でゲームをしてるのが好きなオタク


明るい私は作り物














ある日初恋をした

そして彼と付き合った

彼といるととても幸せだった
だったけど


彼は違った


彼は…他に好きな人ができた



多分
その人の性格と私の作った性格は似ている


デートの時
聞こえてしまった

『……なら言わないのに』
その言葉の前に名前のようなものが聞こえた

少しだけ自分を見せただけで。


このままじゃ私は……
本当の私は好きになって貰えないなら
いっその事別れてしまおう




その後私は

色んな人と付き合った

本当の自分を好きになってくれる人を
それでも彼以上に好きにはなれなかった……







ある日私の友達……
唯一本当の私を知る友達が

「寄り戻したら?」

と言ってきた

「今は好きになって貰えなくても時間が自然と本当の愛に変えてくれるはずだよ……
こんな事言うのも恥ずかしいけど。」


私は彼女の言葉に勇気をもらい

また寄りを戻したいと強く思うようになった


その後友達の助けも借りつつ

今は明るい自分で

少しづつ
本当の自分を好きになってもらおうと思った




だから私は
明るい=人とのスキンシップが多い
そんな自分を作り上げた






そして話の流れで抱きついたり背中に乗ったり
正直嫌われるかと思っただけど
そうでもして好きになって……欲しかった



触れたかった…


バレンタインデーに私は彼に寄りを戻したい……







そうするはずだった……





バレンタインデー5日前


私は見てしまった

彼があの子にチョコの話をしている所を


急がなきゃ

当日じゃダメ

前日に……




前日

『 寄りを戻したい』
私はそう言って彼にチョコを渡した

彼好みのビターなチョコを

彼は
「ごめん」
とだけ言って帰ってしまった


私はその場に崩れ落ち

泣いた


雪が降ってたから寒いのに
体よりも心の方が寒くて

辛くて……
そんなところに
友達がやってきた


すごく慌てた様子だった

彼女は何も言わずに抱きしめてくれた

そして彼女は



『 ねぇひとつ貰うね』
と言って
チョコをひとつとった
そして口に入れた



『 思いが伝わってくるよ』



『でもこのチョコは苦いね 』
と言った
それもそのはず


彼女は甘党で
カフェオレでさえも飲むのを拒んでしまうくらいだった



私は『 今日家来てよ
大切な親友のためにとびっきり美味しいチョコ作るからさ』



そしてその帰り道
私はおそらく彼の想い人であろう女の子の後ろ姿を見つけてしまった



正直その子を見ると私は幸せにならないでなんて思ってしまった

すると友達が
『 上手くいってよかったね』
とその子に聞こえるように言った
まるで私の心を見透かしているように
私はその言葉に
のって「うん」
と言ってしまった

この意地悪は最低だと思ったけど
どうしても抑えられなかった



私は結局
彼からの愛を手に入れることは出来なかった
だけど……
親友への思いは強くなった……



卒業式

私は親友の想いを知ることになった
なんて……
今は知らない……


次回予告


私の恋はビター親友編

彼女の隠された想いを……

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