第213話

練習
4,467
2020/07/30 19:16

事務所へ戻り、午後の練習が始まった








1週間前という事もあり、それなりに皆緊張していた








ダンスもミスなくこなせるようになっていた








流石のダンサーでも、ステージでミスはできないしね












コーチ
じゃあ10分休憩!








コーチの声とともに、一気に騒がしくなる








ダンサー
ああ、疲れた…
ダンサー
水とってー
ダンサー
あ、俺も
ダンサー
ちょ、そこのタオル頼むよ
ダンサー
どーぞー







まあ、ダンサーとの仲がよくなったわけではない








逆にミンジュンさんの件でもっと悪くなったくらいだ









マネ
あ、Dさん!
…ミンジュンさん
ダンサー
え、ミンジュンさん大丈夫かな…(小声)
staff
虐められてるんじゃないの…(小声)
ダンサー
それでもちゃんと仕事こなすって…(小声)
ダンサー
どれだけいい人なの…(小声)
staff
早くあんな奴のマネ辞めたらいいのに…(小声)








小声で話しているようだが、全部耳に入ってきた







あの、何しに…?
マネ
Dさんを応援に!
マネ
あと1週間じゃないですかっ…!
.



staff
どこまでいい子なのよ…泣(小声)
ダンサー
ほんとそれです…(小声)
.




はぁ…
マネ
あれ、どうかしたんですか?
いえ別に…
マネ
もう少しですねっ…(小声)
……っ





私の耳元で、周りの人には聞こえないよう呟いた







マネ
あ、水どうぞっ








そう言ってペットボトルを渡してきた







どうも…
マネ
ふっ…笑







渡してきたかと思うと、








そのまま私の腕を掴み








バシャッ、、








わざと自分の顔に水をかけたのだ










マネ
うっ…
…は、
ダンサー
ミンジュンさんっ
ダンサー
大丈夫ですかっ?
staff
何があったんですか、、
マネ
僕が水を渡したら…
マネ
「お前が渡してきた水なんか飲めるか」って…
ダンサー
ひどい…
……。
staff
Dさん!流石に酷いですよ!
ダンサー
そうです!
ダンサー
ミンジュンさんが何をしたっていうんですか!
マネ
いえ、僕が悪いんです…
マネ
Dさんは何も悪くないですから…
ダンサー
ミンジュンさん…







もう、流石に呆れてくる








というか、凄いとまで思えてしまう








ここまでして何がよいのか、







はぁ…








皆の目がさらにキツくなったのが分かる








これは、無理かもしれない…








心のどこかで、そう思う自分がいた












コーチ
はーいみんな始めるわよー!








コーチの声で、また練習が再開した








それはそれはとてつもなく悪い空気で







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