それからまたあなたを探した
もう何処へ行けばいいのか分からなくて
目的地がないまま、ただただ歩いていた
今日はもう帰ろうかと思った頃だった
そこは、小さな公園で
いつしかあなたが喋っていたような公園だった
そこには、小さな噴水とベンチがいくつかあった
ベンチには
猫を膝に乗せ、フードを深く被っている人がいた
恐る恐る、近づき、声をかけた
俺が声を掛けると
その人は、膝から猫をおろし立ち上がった
面影のある後ろ姿
抱きしめたかった
絶対にあなただ
間違えるはずがない
でも、俺が話しかけても振り向くことはなく
あなたはその場を立ち去ろうとした
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。