デビューを告げられて私は真っ先にジンの元へ向かった
ジンはビッヒでスタッフとして働いていた
嬉しいはずなのに、なぜか上手く笑えなかった
でもジンはとても喜んでくれた
本人の私よりも
ジンは私の手を握ってぶんぶん振り回す
でも、私の表情をすぐに察してくれた
そう言ってジンは人気の無いところに私を連れて行った
そう言ってジンは手を広げてくる
ジンは私を抱きしめてくれた
私はジンの胸で泣いた
ジンには本当に敵わないな…
私のことを理解してる…
ウッ……ううっ……………。
頭の上の方から泣き声が聞こえてきた
恐る恐る顔を上げると
ジンが号泣していた
そうして今度は私がジンを抱きしめた
ジンは少し悩んだ様子で、すぐに決めてくれた
ガシッ(握手)
私たちは固い握手を交わした
そしてもう1回ハグを交わした
今度はとびっきりの笑顔で
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。