沈黙を破ったのは、ユンギさんだった
ダメだ、
せっかくここまで耐えてきたのに、
ここで崩れてしまったら意味が無い
泣くな
泣いちゃダメだ
今泣いたら全部諦めてしまいそう
泣かないように、下を向いて歯を食いしばった
すると、
ぽんぽん
ユンギさんの手は、凄くあたたかくて、
すごく優しく感じた
頭を撫でられただけで、
私の中でつっぱっていたものが、とけたような気がした
一気に心が楽になった
それから少し時間が経つと、ユンギさんは立ち上がった
.
ふっ、と笑ってユンギさんは帰って行った
なんだか凄く心が楽になった
飲みきった1本をゴミ箱に捨て
残りの2本を持って、練習室へ戻った
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。