カムバ数日前も
僕はあなたの応援をしに来たと言って練習室に行った
そして渡したペットボトルの水を自分にかけた
どんどんあなたの周りから人がいなくなる
社長から契約を切る話を聞いた時、
心の底から嬉しかった
これであなたが会社を辞めて
僕と一緒に過ごせる
そう思った
でも、
カムバ前日、僕はあなたに呼び出された
何を今更
あと少しで幸せが掴めるというのに
こんなところで辞めるわけないだろう笑
と、思っていたのに…
なんで?
僕のことなんか、覚えてないはずじゃ
話を聞くと、
警察に、僕のことがバレてしまったらしい
僕は焦った
せっかくここまで来たのに
こんな所で諦めるのは嫌だ…
それで思いついた
そっか
あなたも僕と刑務所に入ればいいんだ
そう思って、
ポケットからカッターを取り出し
あなたに近づいて、
自分の腹に刺した
そして持っていたカッターをあなたに渡し
僕はその場に倒れ込んだ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!