第209話

我が家
4,381
2020/07/30 18:04
全然変わってないなあ笑






玄関に入るなり、見慣れた靴箱を見て笑みが零れた

























そう、私は孤児院出身なのだ








私は生まれてすぐ捨てられた








近くに通りかかった人に見つけてもらい、この施設へ来た








生まれた日も名前も分からなかった








あなたという名前は園長先生に付けてもらった名だ








そしてジンも、私と同じ孤児院出身である








私と同じ日に孤児院に来たから、誕生日が同じなのだ








同い年の私たちは孤児院でもずっと一緒だった








小学校、中学校、高校も変わらず一緒に通った








小学生の頃は、よく虐められてたなあ








お前らには親がいない!捨てられたくせに!って








その度に私がクラスメイトに殴りかかって








その度にジンが止めようとしてくれて








何回園長先生に迷惑をかけたことか、笑








ここに来て、色んな事が思い出された








よく喧嘩もしたし、2人で泣く事もあった








そういえば毎日一緒に寝てたなあ








私がアイドルになりたいって言い出してからも








ジンはずっと私を支えてくれた








こっそり部屋を抜け出して食堂の鏡の前で練習してた時も








私が寝るまでジンは絶対に寝ていなかった








私が高校生で練習生になると








ジンは勉強が忙しいにも関わらずバイトを始めた








年末年始、皆が実家へ帰る中








私が久々に孤児院へ行った時








遅くなったけどって誕生日プレゼントまでくれた








そういえばそのお返しできてないや…









はぁ…懐かしいなあ










どんどんとジンとの思い出がよみがえってくる










あ、この写真まだ飾ってあったんだ笑








私とジンが孤児院を出る時のパーティの写真が飾られていた







…ん?
この人どこかで見た事あるような…
???
あのー…
???
すみません、どちら様でしょうか?
…あ、すみません急に
私ここの出身なんです
施設員
ああ、そうだったんですね!
施設員
園長先生呼びましょうか?
ほんとですか!
是非!
施設員
少々お待ちくださいね






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