第26話

川上さん視点
2,692
2020/06/02 13:00
今日は日曜日。


何だかアイデアが一気に溢れてきたからいっそのこと記事を大量に書きだめしておこう。


そう思って朝早くからオフィスに入った。
いや、入ろうとした、が正解。
今日は撮影があるとはいえ、こんな早い時間だし人が居るとは思っていなかった。
それなのに何故かオフィスの中から声が聞こえる。
河村拓哉
ふくら、俺らで協力しないか?
河村拓哉
お互いがお互いの恋愛に協力しよう
ふくらP
その話乗った
これはもしかして…あなたの話?
どうやらこの2人もあなたが好きらしい。
驚いた。皆揃ってあなたのこと好きじゃん。
彼女にはそんなに人を虜にする魅力があるのか…?
そんなことを考えながらオフィスの中に入るタイミングを伺っていると。
須貝駿貴
よっ、川上
須貝さんが声をかけてきた。

今日に限って皆来るの早すぎん…?
川上拓郎
須貝さん、どうも
川上拓郎
どうしたんですか、こんな時間から
須貝駿貴
あぁ、俺はね
須貝駿貴
少しでも長くあなたと一緒に居たいのよ
須貝駿貴
だから早く来た
げ、この人もか。
川上拓郎
須貝さんもですか
須貝駿貴
ん?「も」ってことは川上くんも?
川上拓郎
あ、いや俺じゃなくて
川上拓郎
皆あなたのこと好きそうだから
須貝駿貴
あーなるほどね笑
須貝駿貴
逆に川上さんはあなたのこと好きじゃないの?
川上拓郎
俺は別に、
川上拓郎
あ、いや、もちろん仕事仲間としては好きですよ
須貝駿貴
へぇ〜意外
須貝駿貴
この前のふみ歓迎会のメンバーは全員あなたに恋愛感情抱いてると思ってたわ
川上拓郎
え、逆に
川上拓郎
あなたのどこに惚れたんですか?
須貝駿貴
うーん俺はねぇ、
須貝駿貴
やっぱり照れてる顔が可愛かったかなぁ〜笑
そう言って須貝さんは分かりやすくニヤける。
須貝駿貴
川上はさ、まだそこまであなたちゃんと関わってなかったりする?
川上拓郎
いや、一応会話はしましたよ
須貝駿貴
うーん、そうだよなぁ…
須貝駿貴
じゃあ何で好きにならないのか分かんねぇや、ごめん
そう言ってオフィスのドアを開ける須貝さん。
須貝駿貴
おはようございま〜す!
須貝駿貴
って、え!?あなたが寝てる!?
え、あなたがここに居るってこと?
川上拓郎
え?どゆこと?
河村拓哉
お、2人揃って出社ですか
ふくらP
おはようございます〜
川上拓郎
おはようございます
川上拓郎
でこれ、どういうことですか
あなたのことを指しながら言う。
ふくらP
何かね、緊張して昨日寝れなかったんだってさ‪
河村拓哉
そう、で今ここで寝てる
須貝駿貴
えってことはもしかして、?
お前ら今まであなたの寝顔見てた…?
河村拓哉
ご名答
須貝駿貴
許せん。俺も見る。
ふくらP
あはは笑
どうぞどうぞ笑笑
困った。
あなたのことを好きか好きじゃないかは別として、かわいい女の子の寝顔は俺も見てみたい気がしなくもない。
でもガッツリみるのも気が引ける。


そうだ。
俺は横目でギリギリあなたの寝顔が見られる位置にさりげなく移動して、さりげなく見た。
川上拓郎
っ…!
とても幸せそうな顔ですやすやと気持ち良さそうに寝ているあなた。
正直めちゃくちゃかわいい。かわいいの暴力だ。



…でも、俺はそんな簡単に好きにはならんからね。


プリ小説オーディオドラマ