デートのはずなのに
君は僕を絶対見ない
一緒に見る景色がこんなにも味気ない
偶然会った男友達とやらと楽しそうに立ち話
誰なんだよ、そいつは。
僕はこんなに君が好きなのに
君の全ては僕じゃない
君の目に映る僕を見たことがないんだ
明らかにテンションが下がってる僕を見て
今更気遣うような素振りを見せる
わかってるならやめてくれ。
拗ねさせてるのは君でしょ
ムカついてるのに
この時だけ僕を見てることがただ嬉しくて
目を合わせるとやっぱすげーかわいい俺の彼女
絶対手放したりなんかしない
…いくら君が離れるって言っても。
俺の中の張り詰めてた糸がプツンと切れて、
貯めてた錘があまりにも大きな音を立てて落ちた
ガツンと頭を殴られたように
目の前が暗くなる
気付いたらどっか知らないホテル
乱れたシーツの上で
君が泣きながらこっちを見てる
恐怖に怯えた顔
そんなにこわいなら何で今まであんな態度取ってたんだよ?
今更笑えてくる
君がどんなに嫌と言っても
君は僕のもの
後悔したってもう遅いよ
警告はしたはず。
君が僕を見てなかっただけでしょ?
あなた、お前はもう俺から逃げられないからね
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。