第34話

放課後2ーYg
2,401
2021/05/07 09:10
you
せんせーいっ!
教室の扉が勢いよく開いた

you
やっと会えたよー!
もう週に2回しか授業ないなんて寂しすぎる
another
とか言って、あんたはほぼ毎日会いに行ってんじゃん?
you
だって毎日会いたいんだもん!
全くこいつは…
大勢の前でこんなこと言うなんて恥ずかしくないのか?

本当に神経を疑う
Yg
早く席つけ
you
ねぇねぇ、先生も会いたかった?
Yg
あーいいからいいから
手でシッシッと仕草をすると、口を窄めてやっと自分の席まで行った。


授業が終わって生徒達が次々と教室から出て行く中、片付けをしていると毎回待ってる君

Yg
次の授業は?
you
大丈夫、教室近いから!
Yg
早く行きなさい
you
先生ともっといたいんだもん。
なんでこいつはこんなストレートに言ってくるんだ?

子どもだから?
何も知らないから?
純粋すぎて対応しきれない

you
またそうやって無視する…
下から覗き込まれて、もうやることなんてないのに忙しい振りして目線を逸らした。
you
ねぇー先生ってばー
無視しても尚
懲りずに後ろをぴょんぴょんとついてくる。

本当に何を考えているのか
わからない生き物すぎてーーー
Yg
まじで邪魔
自分でも驚くくらい冷たい言葉が口から出ていた。
you
えっ…
まずい、とは思ったけど
立場的にもう引き返せない。

ショックを受けて固まっている君を横目に、準備室に逃げ込もうと考えてる狡い自分
you
迷惑ですか?
ここまできて、まだこだわるのか?
Yg
you
私が先生を好きなの、迷惑なら…
はっきり言ってください、迷惑って。
身体が金縛りにあったみたいに動けなくなった。

神様が逃げようとしてる自分に罰でも与えたのかもしれない。

どう答える?
何て言えば正解なんだ?

いや、1番問題にならないのはーーー
そこでタイミングよくチャイムが鳴った。

ハッと我に帰る。

振り返ると今にも泣きそうな顔をしている君

見なかったことにして、静かに告げる
Yg
授業、行ってきな
何も言わずに走って教室を出て行った君を見て、ため息と共に椅子に腰掛ける。

脱力して背もたれに体を預けた。
Yg
どうすりゃいいんだよ…

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