ジミンがこうやって甘えた声を出す時は、何か企みがある時。
後ろからソファに座る私にぎゅっと抱きついて、目一杯甘えてくる。
首元で笑ったりするからくすぐったくて少し避ける。
それでもぎゅっと抱きしめられているから逃げることはできない。
ジミンの言葉は図星で、余裕ぶってるけど愛情表現はいつになっても慣れない。
彼曰く、私は照れてるのを隠すように怒る癖があるらしい。
もっとたくさん会いたいね、みたいなこと?
にっこり糸目で顔を覗き込んでくるジミン。
随分機嫌がいいみたい。
さっきからなんだろう。
ジミンの真意がわからず困惑していると、突然その時はやってきた。
さっきまでのニコニコした天使のお顔はどこかに消えて、艶やかな笑みで私を翻弄してくる。
そういうこと!?
いきなりすぎて固まってると、首の後ろのリボンがスルスルと解かれていった。
そんなこと言われても気にせずにはいられないでしょ?
だって、この服はリボンを取ったら肩が露出されるし、すぐに脱げてしまうブラウスなんだから。
ふんふん♪と吐息混じりのセクシーな鼻歌を歌いながら、私の肩をさわさわと撫でる。
至極当然のような顔に、騙されそうになる。
唇を塞がれたらそのままソファに倒される。
そうやって見下ろされる視線に私がめっぽう弱いってこと、きっとジミンはお見通し。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。