第79話

ホワイトデーチャレンジーHk
1,835
2021/03/14 09:37
Hk
ごめん!!撮影長引いて遅くなりそう
ホビからそう来たのが約3時間前。

この時既に午後20時で。
予定は家に19時だったのに、連絡がくるにしては十分遅い時間だと思うの。

普段なら1行返事を返すとこなんだけど、今日はちょっとだけわがまましたい。

ベッドに入って放置してたら1時間ごとくらいに連絡してくる心配性。
Hk
あなたごめん…怒ってる?
Hk
あなたから返事ないと心配で無理!!
Hk
もう寝たかな?
Hk
もしかして具合悪くて倒れてるとかないよね?
そろそろ連絡しないとまじで救急車とか呼ばれそうだなと思ってたら、ガチャガチャと玄関から音がした。

急いで布団をかぶって寝たふり。
Hk
あなた〜?
ホビの囁き声が部屋に響く。

その後ゆっくりとベッドが沈んだ。
Hk
起きてるでしょ?
you
布団が捲られると暗闇の中でホビの匂いだけがふわっと香ってくる。
Hk
あなた〜
you
…寝てる。
小さく呟くと、首元にものすごく冷たい手が当たった。
you
ひゃっ!?
Hk
おはよう笑
you
もうっ!寝てたのに!!
Hk
起きてたでしょ。
あなた布団かぶって寝ないもん笑
…たしかに。
そこは盲点だった。
Hk
返事くれないから心配したよ?
you
だって遅いんだもん。
うつ伏せのままそう呟くと、頭を優しく撫でられた。
Hk
それは本当にごめん。
こんな忙しい仕事で、もちろん朝夜関係なくて。

でもいつも仕事を言い訳にしないで謝ってくれる。

こんな素敵な彼氏いないのわかってるけど、何故かどんどんわがままになっていく私。

こんなんじゃ、いつか嫌気さされるかな…
you
今日、何の日か知ってた?
首を上げてベッド上の時計を見ると、もう日付は変わっていた。
you
…昨日だ。
Hk
もちろん。付き合い始めた記念日だよ?
横向きに体制を変えてホビの顔を見ると、優しく微笑んでいた。
you
だから…一緒に過ごしたかったの。
少し不安になった私は、やっとここで素直になる。

これも、一年に一度かもしれない。
Hk
わ、素直なあなた珍しい!
なんて笑い出す彼氏の袖をつかんでみる。


暗闇の中でも、キスしてって伝わるかな…?
ぐっと顔が近づいてきて、優しい口付けをされる。

甘い時間の中で、少し服が擦れる音がした。

唇が離れると、シーツの上に置かれていた私の左手にひんやりとした感触がする。
Hk
本当は、日付変わる前に渡したかったんだけど…
その冷たいものが、すっと薬指に深く入ってきた。

ガバッと身体を起こして叫ぶ。
you
で、でんき!電気っ!!
Hk
ははっ笑
笑いながら電気をつけに行ったホビの後を追って、その背中に抱きつく。
Hk
顔見せて?
明るくなった部屋の中で、キラキラと輝く大切な人と、キラキラと輝く私の指。
you
うぅ"……
Hk
あぁ〜泣かないで僕のお姫さま。
you
…いつもわがままでごめんね。。
Hk
いつまでもわがまま姫でいいよ?
顔を上げると優しく微笑むホビ。
you
…すき。
恥ずかしくて胸に顔を埋めると、背の高いホビが上から覆い被さるように抱きしめてくれた。
Hk
あなた、愛してる。
3月14日を、
僕たちの新しい記念日にしよう。

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