第52話

バレンタインチャレンジーJk
2,309
2021/02/14 03:00
you
はい、
小さい頃からよく来てる公園。

大体ブランコに乗って2人で話すけど、今日は珍しくベンチに座った。
Jk
なにこれ。
you
今日クラスの子に配ったやつの残り。
…とか言って、本当はグクのだけ特別。

でも変に意識して今の関係壊したくないし、まして本命渡して笑われたら最悪だし。
Jk
ふーん。
you
ちょっと、お礼くらい言ったら?
あーー我ながら可愛くない言い方。
Jk
義理に礼なんて言うかw
…ほら、グクはなんとも思ってない。
むしろこうやって偉そうに憎まれ口叩いてる方が私達っぽいし。

別に悲しくなんか、
Jk
何その顔
you
…なにが
Jk
なんか…変な顔
you
はっ!?
悲しみも吹っ飛ぶ最悪の一言。

もういいや、こうやってる方が楽しい。
Jk
食っていい?
なんか腹減った
you
うん…
ガサガサと包みを開けるグクをドキドキしながら見つめる。
Jk
見過ぎてたのがバレたのか、グクに見つめ返された。
you
な、なに?
Jk
食べさせて。
you
はぁ!?////やだよ
Jk
いいじゃん。
ん、
そう言って口を開けて待ってるから、仕方なく一粒手に取った。

無駄に心臓がドキドキしちゃって、今更ながら気恥ずかしい。

素直にあーんなんて出来なくて、グクの口元まで持っていった手を引っ込めた。

あ、という顔をしたまん丸の目を見て、何を思ったか私は自分の口にそれを入れる。

チョコの味が口いっぱいに広がって、私の恥ずかしさも一緒に溶かしてくれそう。
Jk
は?
やば、怒った?


焦った時にはもう遅くて。

がっしりと後頭部を捕まえられて、唇を奪われる。

まだ溶け切ってなかった口の中のチョコが、グクに全部持っていかれた。
you
なっ///
なにっ、すんの…!?
突然のことにびっくりして、口元を隠しながら叫ぶ。
Jk
そっちが先に意地悪したから。
you
バカ…
Jk
コレありがと。
すごいうまい。
you
だって、特別だもん…
Jk
んなの、とっくに知ってる。
2人の熱によって溶けた義理チョコは、後になってちゃんと本命の味がしたみたい。

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