第96話

既婚少年団「ただいま編」ーJn
2,082
2021/04/02 03:00
Jn
ただいまぁ〜
you
おかえりー!
玄関を入ると、いい匂いが俺を迎えた。

もこもこのスリッパを履いて、ネクタイを緩めながら廊下を通りキッチンに入っていく。
Jn
ん〜美味しそうなにおいだ
you
今日はジンの好きなもの作ったよ
フライパンを覗き込む俺に、早く手洗って着替えてきてよなんて言うあなた。

言われた通りにすぐ退散した。


スウェットに着替えてキッチンに戻り、冷蔵庫にビールを取りに行く。

だけど辿り着く前に気付いたあなたがちゃんと取ってくれた。
Jn
ありがとう
テーブルにつき、プシュッといい音を出しながら缶を開ける。
グラスにうまく注いで一口飲んでから、目の前に並んでいる小鉢をつまんだ。

その間にメイン料理を運んできたあなたが向かい側に座る。
you
いただきまーす
Jn
これおいしいよ、すごく。
ご飯に集中していると、突然あなたの口から突拍子もない内容が飛び出す。
you
ところで、昨日は楽しかった?
思わず固まってしまい持っていたおかずが箸から落ちた。
Jn
昨日っ?笑
口からも溢れそうになって、思わず手で押さえる。
you
うん。お姉さん達と楽しく飲んでたんでしょ?
Jn
あぁ…
とか適当な相槌を打つけど、俺の頭の中はパニック状態。

え、なんで知ってんの?
you
何で知ってるか聞きたい?
Jn
やぁ…あなたは俺の心が読めるのか?笑
笑いに持って行こうとするけど失敗した。
you
私が実家に行ってるからって全く…
Jn
別に隠してるわけじゃないよw
箸を進めるとじーっと正面から俺の顔を見つめるあなたの視線を感じた。
Jn
なに笑
you
本当さぁ〜、みんなに怒られちゃうよ!
Jn
みんなって、だれ?
あなたがまた食べるのを開始して、お互いにモグモグと口を動かす。
you
お嫁ちゃん達だよっ!!
嫁って…あいつらの?

すかさずあなたがスマホを取り出し画面を見せてきた。

食べながら目だけそちらに向けて確認すると、何故か嫁達のグループが作成されていた。
Jn
なにこれwww
you
もー…このトークグループが昨日めちゃくちゃ動いたんだから…
はぁ、とわざと心労が多そうなフリをしながらまた食べ始めたあなたを見て、つい笑ってしまう。
Jn
みんな怒ってた?笑
you
ん〜怒ったり、しょぼんとしてたり、動揺してたり、なんか色々?笑
少しいたずらっぽく笑うあなたを見て、何故か突然俺はいい嫁を持ったななんて思う。
Jn
そういうあなたさんは、どう思ったんですか?
急に思ってもみなかった感想を聞かれ、口元が緩むあなたを見逃さない。
you
ん〜と…笑
いつもながら、半分心配しました。
Jn
それはどんな心配ですか?
顔を見ながら問いかけると、少し笑いながらもちゃんと答えてくれる。
you
飲み過ぎてないかな〜ちゃんと帰ってこれたかな〜とか、ですかね?
Jn
…優しいですね。
じゃぁ、あとの半分はなんですか?
you
残り半分は、ちょっとしたヤキモチです。
Jn
あぁーいいですね、それは。
ここで俺は再び下を向いて食べ始めた。
you
いいですか。
Jn
はい、いいですね、とても。
俺の顔が赤くなってることに、多分あなたは気付いてる。
Jn
とても気分がいいので今日は僕のベッドで一緒に寝ましょう
you
それはちょっと…
Jn
ダメです、僕が決めました。
you
ふふ、わかりました笑



セミダブルに2人で入るのは、少しだけ狭い。

でもたまにはこういうのもいいと思う。
you
もう夜のお店行かない?
眠る直前、密着しながらあなたが可愛く聞いてくる。
Jn
ん〜それは行くかな。
you
…もぅ。。
真実を答えると、暗闇の中で不服そうな声。
Jn
嫉妬する?
you
…する。
素直にそう言う奥さんの頭にそっとキスを落とした。
Jn
そしたら、またこうやって一緒に寝よう
俺たち夫婦のかわいい約束。

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