第98話

奥手な僕ーNm
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2021/04/03 06:12
Nm
あなた飲み過ぎじゃない?
you
今日くらい良いじゃん…
テーブルには空いた缶が既に2本。

いつも1本ほどしか飲まないはずなのに。
you
ほら、おっぱも飲んで?
Nm
並んでいるうちから一本手に取り、軽く乾杯する。

グイッと飲み干すと少しぬるくなったビールが喉に流れ込んだ。
you
おっぱはさぁ…
好きな人いる?
それを俺に聞くのは酷なことだと、きっと君は何も考えずに言った。
Nm
…いるよ
you
えっ!!初めて聞いたよ!?
さっきまでの暗い表情とは一変、興味津々な顔をして俺を惑わせる。
Nm
初めて言ったから…笑
目を合わさずに、二口目のビールを口に運んだ。
you
えっ、待って、私の知ってるひと!?
Nm
うーん…
とりあえず言葉を濁して笑ってみる。

あなたは一人であの人かな、いやあの子か?なんて楽しそうに笑った。
you
告白しないの?
Nm
フラれるってわかってたからね
you
彼氏いる子好きになっちゃったとか!?
面白そうに茶化す君に、少しだけムッときた。
Nm
や…彼氏できる前から好きだったけど
you
え〜!おっぱって、意外に奥手なんだね
奥手…そうなのかもしれない。

この気持ちを言葉で表現するとそうなるのか。

さっきからペースが早くなっていることは自分でもわかってる。

既にあと2口くらいで缶は空になりそうだ。
you
諦めるの?
赤くなった顔でそんなこと聞いてくるあなたは本当に罪深い。
Nm
諦めないよ、
真っ直ぐに君を見て言う。
Nm
ずっと好きだから。
ぽかんと口を開けて俺を見てる君が、焦ったように早口で喋り出した。
you
あー、今の…///
その子に言ってたら、きっとok貰えてたのにっ!
Nm
本当にそうかな笑
自嘲気味に笑うと、うんうんと下手な応援をしてくる。
Nm
…彼氏に振られたばっかでも?
小さなテーブルに並んで座る俺とあなた。

可愛い手に俺の手をそっと重ねてみる。
you
えっ…と、、/////
ビールを真上に傾けて、残ってる分を全て飲み干した。
you
待って…////
ねぇ…おっぱ…////
さすがに気付いたみたいで、鈍感で自分のことには不器用な君が困惑しだした。

困らせたい訳でもなかったんだけど。
Nm
やっぱり言わないでおく。
さっきよりもずっと真っ赤な顔をした君が、眉を下げてこちらを見ている。

目の前のこの子に今すぐキスをしたいけど、やめておこうと思う。

奥手な俺の片想いは、結構真剣だから…
Nm
酔った勢いにはしたくないんだ。

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