第91話

異次元の酔っ払いーTh
2,092
2021/03/29 01:00
you
ちょっとちょっと!!
口の端からお酒を溢すテテに慌ててティッシュを渡す。
Th
んふふ
you
飲み過ぎだよ、も〜
普段飲まないテテがこんなに飲むのは、きっと今日が彼らのお祝いだったからだろう。

いい気分で帰ってきたと思えば、まだ飲むとか言って買ってきたらしいお酒を開けた。

アルコールに弱いくせにこんな時は急にわがままを発動する自由人。
Th
あなた〜好きだぁぁ
you
ねぇ、お酒くさい、、
後ろからハグしてきたと思えば、キスをせがんでほっぺに唇をつけたがる。

酔っ払いは本当に苦手。

特にこの人は、何するか分からないから。

やめてと言っても全く聞かず、むしろもっと強く抱きしめてくる。
you
本当くさいから…もう寝たいし。
Th
いいじゃん、ほらちゅーしよ?
you
やだよ…しつこい。
Th
ん〜じゃぁ臭くなければいい?
こうなるともう話が通じないから、無視して寝室へと移動する私。

ずるずるとついてきて本当に嫌だ。
you
もう…離れてってば!!
割と強く手を振り払うと、へらへら笑いながらどこかに行ってしまった。

ちょっとやり過ぎた…?

でもあのテヒョンだから。

絶対凹んだりはしてない。
というか多分明日になったら記憶ない。

気にせずに布団の中に潜り込もうとすると、
Th
あなた〜
と何故かくぐもったような声で呼んでくる宇宙人が来た。

無視して寝たふりを決め込む。

すると厚かましくも布団の中に入ってきた。

もう一度名前を呼ばれると、何だか鼻にツンとくるにおいがする。

気になって目を開けると、口をリスみたいにもぐもぐしたテテがいた。
you
え、何してんの…?
え?何か食べてる?
Th
うん、ガム10個くらい一気に食べた。
you
はぁぁぁ!?
寝室に私の呆れ声が響いた。

もう、予想の斜め上をやられて言葉も出ない。

ただ茫然としているとテテが堪えられずに笑い始めた。

その様子を見て、つい私も笑ってしまう。

あんなムカついてた筈なのに、何故かこの人はいつも最後は私を笑顔にしてくるから不思議。

ひとしきり笑った後、テテが口を開く。
Th
ねぇ、僕、顎外れそうww
you
全く…何やってんの。
そんなガム一気に噛んだらそうなるでしょ?
Th
だって、あなたがくさいって言うから。
you
悪いけど、いくらガム噛んでもまだお酒くさいし…キスしないからね?
そう告げると明らかにショックを受けたような顔をした。
Th
え…じゃぁあと僕はどうしたらいいの…?
目を見開いて固まってしまったテテに、大きくため息を吐いた。
you
今日は離れて寝てください。
Th
え、無理…
テディベアのような顔に騙されそうになるけど、今この人は酔っ払い。
you
私も無理。
強めに拒否すると、しゅん…と効果音がつくように背中を丸める。
そんなテテが可愛くて、仕方なく私が折れた。

…いつもだけど。


テテの袖を少し掴んで、唇にちゅっと軽くキスをする。
Th
っ!!
you
これでおしまい。おやすみ。
すぐに寝転んで、ぐるんと背中を向ける。
Th
ありがと!!!
テテの嬉しそうな声が聞こえてきて、ベッドをぴょんぴょん跳ねながら降りた。

寝室を出る音が聞こえる。

多分シャワーを浴びに行ったんだろう。

私は仕方なくーー

いつもテテの寝る方に向き直り、少しだけ自分の枕を彼の枕に近づけてから目を閉じた。

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