第53話

雨の日注意報ーNm
2,033
2021/02/15 08:00
Nm
あなた、お疲れ様!
you
えっ、迎えに来てくれたの!?
駅から家まで徒歩5分。
結構近いけど過保護なナムが迎えに来てくれた。
Nm
急に雨降ってきたでしょ?
you
そうそう、傘持ってなくて…
Nm
はい、
ちゃんと2本持ってきてるところが真面目だよね。

ここは敢えて一本で相合い傘とか…

そういうの考えないのが彼。
you
ありがとね?
傘を受け取り開こうとすると、横から

バサッ!!!

と大きな音。
you
えっ?
Nm
あっ…傘壊れたwww
you
ちょっと…今年入って何本目よ!?
バッサバッサと傘を広げたり閉じたりしてなんとか試みてるけど、そんなので直るわけない。

てか、むしろ悪化してもう使えないレベル。
you
も〜…仕方ないな、はい!
ん、と傘をナムの方に出すと、にっこり笑顔で私の手に自分の手を重ねる。

珍しく冷たい手に、一体どれくらい私を待ってたのかと困惑した。

私から傘を受け取って、優しく肩を抱き寄せる。

背の高いナムと一緒に私の傘に入るには、結構密着しないと濡れてしまうから。
見上げると、口を閉じたままいつもの笑顔を崩さずに満足そうに歩くナム。

もしかして、最初から狙ってた…?

なんて意地悪なこと考えるけど。

私の視線に気付いて無邪気な顔を向ける彼を見て、この人に限ってあり得ないわ…と考え直す。

肩に置かれている手を外すと不安そうにこっちを見るナム。
その冷たい手を取り直してしっかり繋ぎ、彼のコートのポケットに押し込んだ。
you
こんなになるまで待ってちゃダメでしょ?
と叱ってみると、
Nm
あなたのことなら何時間でも待てるんだ。
そう言ってぎゅっと握り返して、
私の手を更に熱くさせた。

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