ヌナが寝ているベッドにダイブして揺らしたけど、起きる気配はない。
仕方ないからヌナの上に乗っかって耳元で囁いてみる。
やっと気がついたみたい。
寝かせてと言わんばかりに目を開けようとはしない。
寝るの大好きだもんね…
まぁそんなとこも可愛いんですけど。
同じ布団に潜り込んでヌナをぎゅっと抱きしめながら眠る。
いいにおいがして心地が良い。
目覚ましが鳴って朝が来たことを知ると、隣でもぞもぞとヌナが動いた。
朝の第一声がこれですか?
2人でベッドから降りて朝の支度。
ヌナが朝食を準備してくれている間に洗面台で顔を洗ってからスーツに着替えた。
キッチンに行くと早速お土産を見つけたらしいヌナが喜んでいる。
かわいいおでこにチュッとキスを落として、出来立ての朝食を2人でテーブルへと運ぶ。
敢えて意地悪な言い方をすると、「別に〜」とか余裕ぶるヌナ。
でも頬を膨らませちゃってわざと気になってるアピールするのがあざと可愛い。
ふふふ、と笑って会話を終わらせて朝食を口に運ぶヌナ。
自由にさせてくれるのは良いけど、僕としてはもう少し嫉妬してくれてもいいんだけどな?
珍しく名前を呼んだことに若干驚きながら、少し考えた後に僕の思いもよらないことを口走る。
その魅力的な口にスープが吸い込まれていくのを見つめた。
最終的にはこうやって、僕が頭を抱えることになる。
あぁ、あなたには本当に敵わない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!